2020年08月03日

【焦点】 東京五輪選手村訴訟 次回弁論8月18日に決まる 原告不動産鑑定士の月刊文春記事を証拠として提出へ=橋詰雅博

 東京五輪選手村用地を激安で払い下げた小池百合子都知事らに損害賠償を都が求めるべきだとする民事裁判(日本ジャーナリスト会議機関紙2017年10月25日号に既報)の第9回口頭弁論は、コロナ禍のため延び延びになっていたが、日時がやっと決まった。8月18日(火)午後2時から東京地裁103号法廷で行われる。大法廷で開きたいとしていた原告弁護団の要望を裁判所が受けいれた。103号は傍聴席数が100近くあるが、今回、三密を避けるため傍聴席は36に限定された。
 前回の1月17日の裁判以来7カ月ぶりになる8月の法廷では、原告側が先に提出した岩見良太郎・埼玉大学名誉教授らの意見書をもとに被告(東京都)に対して全面的に反論する。岩見名誉教授は、地権者は都だけの更地であるのに、極めて異常な個人施行の第一種市街地再開発事業を都があえて実施したのは、不当な都有地処分を隠蔽するためだったと述べている。
 ところで原告都民33人の中に不動産鑑定士の桝本行男(72)さんがいる。桝本さんはこの疑惑の土地の評価額を鑑定した。それは昨年の10月26日の第4回口頭弁論で公開された。街区は5つに分かれ、各区によって1平方b当たり100万から134万円で、総額は1611億1800万円と弁護士が陳述した。そして弁護士は「92%も減額し、都民の財産が1470億円失う」と指摘し、都は激安の根拠を示すべきだと訴えた。都が算出の根拠とした日本不動産研究所の調査報告書(鑑定評価書ではない)の多くが黒塗りだからだ。
 その桝本さんを昨年の月刊文藝春秋12月号でノンフィクション作家・清武英利さんが取り上げている。清武さんが連載中の「後列のひと」第11回目に登場した。タイトルは「土地のことは土地に聴け」。記事によれば、この言葉は不動産鑑定の父≠ニ呼ばれる日本不動産鑑定協会の櫛田光男・初代会長が残したものだという。桝本さんはこれを<地道に現場を歩け>と解釈し、仕事を続けている。「晴海選手村土地投げ売りを正す会」ニュース最新号によると、原告弁護団は、見開き4ページのこの記事を証拠として裁判所に提出することを考えている。
 被告弁護団は、桝本さんは原告であり、中立性を欠く鑑定と批判したが、桝本さんの誠実な人柄と公正な仕事ぶりがうかがえるこの記事は証拠になり得ると思った。
橋詰雅博
posted by JCJ at 01:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする