2020年09月02日

コロナin海外 英国・読書時間が倍増 仏国・バカンスは中止 台北・渡航用グッズ売れる=橋詰雅博

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    ロンドンの日曜の地下鉄車内、乗客が見当たらない=右下の園部さんが撮影
 
  新型コロナが世界中に蔓延して6カ月近くがたった。朝日新聞GLOBE編集部が英国、フランス、台湾のコロナ禍最新事情を7月20日にオンラインによってライブ中継した。英国は欧州の中で死者数4万1千超と最多、フランスは7月中旬から屋内施設でのマスク着用を義務化した(違反者は罰金135ユーロ=1万6千円)、台湾はコロナ抑え込みに成功。ロンドン在住の園部哲さん(翻訳者)、パリのセザール・カステルビさん(大学博士研究員)、3人の子どもがいる台北の李玲瑜さん(会社員)が現状などを語った。カステルビさんも李さんも日本に留学経験があるので日本語は上手だ。
財務相人気高まる  
【ロンドン】都市封鎖措置が段階的に緩和になり、街中に人は増えてきているが、コロナ禍前の20分の1、30分の1程度といった感じの人出です。ある世論調査では、35%の人が感染を恐れ外出したくないと答えています。巣ごもりの人が多くなったせいか、本好きの英国人の1週間の読書時間が3時間から6時間に倍増した。
 3月下旬の都市封鎖発令前までコロナ対策に手をつけなかったジョンソン首相は、支持が急落だ。閣僚の中ではリシ・スナク財務相の人気が高まっている。打撃を受けたレストランやパブなどでの飲食の付加価値税を20%から5%に引き下げ、集客政策を実施したからです。
24年五輪無関心
【パリ】(都市封鎖が大幅に解除され)今はキスやハグをする人が多くなっている。しかし、パリの観光スポットにはEUからの観光客は少ない。僕はバカンスで南仏とスペインに行く予定でしたが、コロナ禍ですからやめました。バカンスのスケジュールは決まっていません。
 パリの2024年五輪パラリンピック開催を危ぶむ話題は上がっていませんね。そもそも市民は五輪に関心がない。24年をどうするのかという話はまったく出てきていません。
 大学に限れば、オンライン授業が中心でテストもオンラインで実施した。新学期が始まる9月以降、リアルとオンラインの授業割合のルールは決まってなくて、大学に任されている。学生が多い授業はオンライン、少人数ならリアルが向いているようです。
カッコ悪いと拒む
【台北】コロナ禍前の通常の生活に戻っている。もちろんマスク着用もなしです。コロナ流行時、海外から帰国したビジネスマンや学生は、国内でコロナを感染流入させる心配がありましたが、皆、温かい心で帰国者を迎えていた。
 アメリカの大学に留学していた20歳と19歳の息子を帰国後に2週間自宅で待機させました。つくった食事は部屋に持ち込むことはできませんでしたからそれぞれの部屋の前に置きました。食べ終わった食器は毎回、買った小型消毒機で洗って使うようにしました。二人ともオンライン授業で勉強していた。
 長男は8月に大学に戻りますが、その際、コロナ対策をして飛行機に乗る予定です。台北では白い防護服、ゴーグル、手袋、マスク、靴カバーなどがセットになったものが売られています。息子は最初、「ヘンなカッコで嫌だ」と身につけるのを拒みましたが、アメリカのコロナ感染再拡大のニュース映像を見て心配になりしぶしぶ身につけていくことになりました。
評判落した3人
 園部さんによると、英国のメディアは真っ当なコロナ対策をできず評判を落した政治家として自国のジョンソン、ブラジルのボルソナロ大統領、そして安倍晋三首相(8月28日に首相を辞任)の3人をあげている。
橋詰雅博
   JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年8月25日号
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posted by JCJ at 01:00 | 新型コロナ禍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする