2020年09月29日

【支部リポート】 神奈川 コロナ禍 様々な体験談 優生思想への危惧も議論に=保坂義久

 神奈川支部では1年に4回を目安に例会を開いてきた。今年は2月1日に川崎市のヘイトスピーチ禁止条例をテーマに例会を開いたが、その後にコロナウィルス感染が拡大し、4月に予定していた例会は中止。講演予定者には、相模原の障がい者施設大量殺傷事件裁判について、支部の機関紙に執筆してもらった。
 その後、休館となっていた公共施設が6月以降に再開、手頃な会場が予約できたので、7月11日に支部総会を開いた。今年は支部総会の後に行う外部から講師を招く集会ではなく、会員同士が自由に語り合うフリートークの会を行った。
 部屋は定員57人の半分までの利用とされ、消毒剤も用意されていた。参加者は9人で十分に社会的距離がとれた。
 総会では、地域マスメディアの記者との交流とともに、「例会などを通して、メディアの現状をありのままに市民に伝え、市民と共にジャーナリズムを鍛える」とするJCJの役割の明示を含む運動方針を採択した。
 続いてフリートーク。2時間ほど話し合ったが、中にはコロナ禍での身近な出来事などの発言もあった。社会福祉の現場で働く会員からは「ソーシャルディスタンスと言われても、それでは介助できない」という。集団で福島を訪問した会員は、ある村営食堂で昼食をとろうとしたおりに「東京に近い横浜から来た人はご遠慮ください」と断られた経験を語った。
 当支部と協力関係にある機関紙協会神奈川県本部で活動する会員は、参加団体からの情報として医療生協で病院収入の減少、自粛による市井の建築業への影響を報告。コロナの広がりを感じさせられた。
 神奈川の大きな問題であるヘイトデモや、運動シーンにおける女性の活躍、ツイッターデモなどにみられる政治への関心の高まりなど様々な事柄が話題になった。
 テレビ局出身の会員が今のテレビの現状を批判、東京高検検事長と新聞記者の賭けマージャン問題については、元検察担当の記者が解説した。
 相模原の事件に関連し新たな「優生思想」への危惧や、被害者の匿名報道の是非などが語られた。コロナウィルスの流行は社会にどういう影響を与えるか、など様々な話にも及んで、とても豊かな議論の機会となった。
保坂義久
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年8月25日号

posted by JCJ at 01:00 | 関東・甲信越 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする