2020年10月11日

【今週の風考計】10.11─「レジ袋」有料化が招いた思わぬ波紋からの考察

「かごパク」なる困った事態が起きている。7月1日から「レジ袋」が有料化となったせいか、スーパー備え付けのかごに、買った品物を入れたまま、かごごと持ち帰る事例だ。
 とりわけカートに乗せて駐車場まで運び、自分の車に乗せて帰ってしまう人が多いという。店長は頭を抱えている。
そういえばスーパーのレジで精算後、そばのカウンターで、マイバックに入れ直す場面を見ていたら、ホルダーに巻かれた無料の「ポリ袋」を適当に切り、その中に生鮮食品を入れるだけでなく、缶詰やカップ麺まで一つ一つ「ポリ袋」に入れる御仁がいる。
 さらには「ポリ袋」だけ、ぐるぐる巻きとって持ち帰る主婦もいる。「レジ袋」が家庭内になくなったため、この無料の「ポリ袋」を生ゴミの収容に使うのだという。まさに庶民の知恵だ。

「レジ袋」を有料化したのは、プラスチックゴミを減らすためである。日本では年間900万トンのプラごみが発生し、再利用や焼却などの処理に苦しみ、プラスチック製品の生産削減が進む。
 世界全体では、プラごみが海に年間800万トンも流れだし、ストローを鼻につまらせて苦しむウミガメやビニールを飲みこんだセグロカモメが見つかり、また魚の内臓に蓄積された微小プラなど、生態系や漁業に深刻な悪影響を及ぼしている。
これまで先進国から排出されたプラごみは「リサイクル資源」として、主に中国に輸出されてきたが、3年前に中国は輸入を中止した。
 代わりにベトナムやマレーシアへ輸出先が変わったものの、すぐに各国の処理能力が限界に達し、洗浄・選別が不十分なまま海などに捨てられる事態となっている。日本は昨年90万トンものプラごみを輸出している。

少しでも事態を改善するため、このほど「バーゼル条約」が改訂され、来年1月から運用されることになった。「バーゼル条約」は、有害廃棄物の輸出入を制限する法的拘束力のある国際条約で、1989年に採択されている。
この条約にプラごみを新たな対象に加え、海外輸出を規制する。とりわけ汚れたプラごみ─飲食物や泥・油が付着し分別・粉砕処理もされず、リサイクルしにくい弁当容器やペットボトルなどは輸出ができない。
 だが、この「バーゼル条約」にはプラごみ排出1位の米国が加盟していない。輸出削減にどこまで効果があるか、不安も広がる。
さてさてスーパーなどで、私たちが無料をいいことに無制限に巻き取る「ポリ袋」、これもまた自然には分解しないプラごみと同じもの。
 ただ「ポリ袋」は、燃やしても有害ガスは発生しないとはいえ、「レジ袋」はいらないと断って「ポリ袋」を乱用すれば、結局はプラごみを増やしている事実には変わりがない。よくよく考えて使おう。(2020/10/11)
posted by JCJ at 08:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする