2020年10月14日

【新型コロナ禍】 ワクチン接種で克服はウソ すべての人に効かず 副作用も=橋詰雅博

 政府は2021年前半までに全国民分の新型コロナワクチンを確保することを目指している。安倍晋三前首相はワクチンさえ接種すれば、さもコロナを克服できるようなニュアンスが感じられる発言をしている。まずは量の確保だと、日本も欧米の後を追いワクチン争奪戦に参入。いままでに英アストラゼネカと米ファイザーの2社と各1億2000回分の供給を受けることで基本合意した。加えて米モデルナとは約4000万回分の供給を受けられるよう交渉中だ。
 しかし、開発されたワクチンがすべての人に効くわけではない。新型コロナウイルスの変異のスピードが恐ろしく速いからだ。ノーベル賞学者の本庶佑さんはこう警告している。
〈(新型コロナは)中国で発生して以来、世界各地に広がっていく過程で変異を繰り返し、すでに数百の変異があるという報告があります。
 ワクチンが完成しても、開発当初とは異なる遺伝子のウイルスが蔓延しているかもしれない。そうなると、一部ウイルスにしか効かないことも十分にあり得ます〉(『月刊文藝春秋』8月号)
 さらに副作用の問題もある。現にアストラゼネカは臨床試験で被験者に重い副作用が発生したため治験を一時中断した。その後、再開したが、ワクチン開発をめぐっては治験の簡略化で安全性が置き去りにされていると指摘する専門家は少なくない。またデング熱では、ワクチン接種がかえって重い症状を引き起こした報告もある。新型コロナで同じようなケースが起きる可能性もある。
 ワクチン接種でもコロナ罹患は防げない。副作用もある。政府に騙されてはいけない。
橋詰雅博
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号
                                           P1020371.JPG
 
 
posted by JCJ at 01:00 | 新型コロナ禍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする