2020年11月25日

【神奈川支部】 菅首相 人事で強権支配 値下げにこだわる政治家 朝日政治部・南記者が講演=保坂義久

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JCJ神奈川支部は10月24日、横浜市健康福祉総合センターで例会を開いた。朝日新聞政治部の南彰記者(写真)が菅義偉内閣の特質をテーマに講演した。
 南記者は、政治部と兼務して2013年から大阪社会部に赴任。15年の大阪都構想をめぐる住民投票が僅差で否決された後に東京へ戻った。18年から新聞労連委員長となり、今年9月に政治部に復帰し、現在は国会取材班のキャップをしている。
22日に派閥会長を辞任した石破茂氏が、来年の自民党総裁選への出馬を質問されて『総裁選に出るとか出ないとか語るのは適当ではない』と答えたことを引き合いに出して、南記者は、「ものを言うことが自らへの支持を広げるにはマイナスとなるという今の永田町の空気感を示している」という。
 霞が関の官僚を取材しても、官邸の言うことには逆らえない雰囲気がある。同じように官邸が力を持っていた小泉純一郎内閣と比較して、南記者は「小泉内閣は『郵政改革』という政策での支配だが、菅政権は人事を使った支配」と指摘した。
 横浜市会議員の時代にも、幹部人事の情報を事前に入手した菅氏は、昇格予定の幹部に激励の電話をしたという。電話をもらった幹部は昇格が菅氏の影響力のためと思ってしまう。
 総務大臣の時にも、ふるさと納税拡大の問題点を直言した税務局長を左遷し、著書の中でも自分は人事を使って意思を示すと公言している。
 10月1日には日本学術会議の新規会員名簿から、安保法制などに反対した学者を外したことが明らかになった。官僚の人事以上に高度な自治が保障されるべき学術分野に介入が行われた。
安倍政権では森友・加計問題などで公文書がないがしろにされてきた。ところが菅氏は、民主党政権時代に出版した自身の著作の中で、公文書管理の重要性を力説していた。南記者は官房長官時代の記者会見で著作の内容を引き、「この発言している政治家をご存知ですか」と質問した。菅氏は自著にも関わらず「知らない」と答えたという。その著作「政治家の覚悟」は最近、文庫化されたがその部分は省かれていた。
南記者は菅氏の政治手法は大阪維新の会に通じるところがあるという。大坂維新の会も県市の行政組織や労働組合とは対決したが、コストカットした財源を子育て世代に回すなどして支持を集めた。
「菅氏は値下げの菅≠ニいわれる。携帯電話料金の引き下げの他に、Gotoキャンペーンも値下げの一種。不妊治療の保険適用も、制度改正の前に予算措置を先にするのではないか。国土交通省の政務官の時に東京アクアライン利用料を引き下げるなど、値下げにこだわる政治家」(南記者)。就任会見では自助を強調したが、リベラル側の政策も取り込んで自分の手柄にするのではとの見通しを語った。
 また南記者は、10月3日に原宿のパンケーキ屋で行われた官邸記者クラブ所属各社の首相番との懇談を、朝日、東京、京都新聞の3社が断ったことについて経緯を語り、総理の宣伝じみた懇談ではなく、本来は記者クラブ側から取材を申し込んで応じさせるべきだと強調した。
保坂義久

posted by JCJ at 01:00 | 関東・甲信越 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする