2020年12月10日

【出版界の動き】 コロナ禍による出版業界の大きな変化を読む

12月4日に『鬼滅の刃』最終23巻が初版部数395万部、『鬼滅の刃外伝』(いずれも集英社)が発売され、書店に多くの読者が殺到する事態となった。3日付の夕刊に全面広告、同4日付の朝刊全国紙には全面広告を4面にわたって掲載。
今年1月から9月にかけての『鬼滅の刃』を含めた、コミックスの店頭販売冊数は前年比160%を超える大幅なプラスとなり、全巻で1億冊・400億円の売り上げとなる『鬼滅の刃』の恩恵であるのは間違いない。

コロナ禍が出版業界にどのような影響をもたらしたか
1)感染拡大による日常生活の激変で出版物への新たな需要が喚起された。公共図書館の休館による需要増も顕著になっている。
2)読者の購買行動が変化し、都市部の書店から郊外型書店など身近な街の中小書店へとシフトし、ネット書店からの購入も大幅な伸びを示している。
3)学参、児童書、テキストなど、休校によって自宅学習に役立つ出版物の伸びが大きい。
4)テレワーク、リモート会議などの働き方の変化に伴い、PC書やビジネス書、就職関連書が伸長している。
5)文芸書と文庫本の売れ行きが顕著である。趣味実用書はゲーム攻略本、お菓子作り本、パズル、脳トレ、ぬり絵関連書は好調だが、旅行ガイド本は半減。
6)ネット書店、電子出版、電子図書館が大幅に伸長し、都市部の書店は苦戦している。

10月の書籍雑誌販売額1000億円(前年比6.6%増)、書籍536億円(同14.0%増)、雑誌464億円(同0.8%減)、月刊誌382億円(同0.5%増)、週刊誌82億円(同6.4%減)。返品率:書籍32.2%、雑誌41.3%、月刊誌40.6%、週刊誌44.1%。書籍は返品率の大幅改善などにより、近来にない2ケタのプラスとなった。

2019年度にアマゾンが日本国内で売上げた金額は1兆7443億円。「アマゾン・エフェクト」の影響を最も受けたのが出版業界で、とりわけ書店分野は店数が半減、文教堂GHDは事業再生に追いこまれた。
 アマゾンは書籍流通で約2割のシェアを占め、KADOKAWAを始めとして、直接取引出版社は3631社、取次の機能も果たすようになった。アマゾンの出版物販売金額は3000億円近くとなる
posted by JCJ at 01:00 | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする