2020年12月11日

【沖縄リポート】 「基地追い払って」漆喰シーサー=浦島悦子

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  11月3日付『沖縄タイムス』は「沖縄防衛局が辺野古新基地建設工事に必要な美謝川水路切替工事に向け、辺野古ダム周辺のボーリング調査に着手していたことがわかった」と報じた。
 辺野古演習場内の山から大浦湾に注ぐ美謝川(辺野古ダムはその一部)は、河口が埋立予定地に入るため、水路を切り替えなければ埋め立てはできない。沖縄防衛局が当初計画した切替ルートは、名護市条例により市長との協議が必要だ。当時の稲嶺進市長は「新基地阻止」を掲げていた。防衛局は2014年9月、名護市長との協議を必要としないルートに変更したが、当時の(埋め立てを承認した)仲井眞弘多知事でさえ「環境負荷が大きい」としてこれに難色を示したため、設計変更そのものを取り下げた経過がある。
 現在ボーリング調査が行われているのは、当初計画のルートだ。この再変更(元に戻す)については県にも、防衛局自らが設置した環境監視等委員会にも諮っていない。自民党政権に親和的な渡具知武豊現市長なら同意を得られると踏んで、市長との協議の前にボーリング調査を行い既成事実を作ろうとしているのだ。
 名護市12月議会で野党議員団はこの問題を追及する。私たち市民団体も埋め立て=基地建設阻止の要の一つであるこの問題に世論を喚起し、市長の不同意を求めていく。
 米大統領選で民主党のバイデン氏が勝利を確実にしたが、バイデン政権になっても、米国の沖縄に対する姿勢(というより無関心)はほとんど変わらないだろう。オバマ大統領の誕生に期待して裏切られた経験を持つ沖縄県民は、冷めた目で米日の動きを見ている。
 埋立作業船がひしめく大浦湾を望む瀬嵩墓地広場の入口に雌雄の漆喰シーサー(写真)が建った。沖縄アジア国際平和芸術祭2020の一環として、昨年焼失した首里城の破損赤瓦を使い、地域住民や子どもたちが参加して作った。海をにらむシーサーが、軍事基地というマジムン(魔物)を追っ払ってくれるよう願いを込めて。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年11月25日号
posted by JCJ at 01:00 | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする