2020年12月20日

【今週の風考計】12.20─SNS上の「捨て垢」による誹謗・中傷を削除せよ!

ネット上の誹謗・中傷・差別に満ちた書き込みは深刻さを増している。「即刻死ね」「消えろ」などと特定の個人や団体を相手に、敵意むき出しの書き込みが集中し、甚大な人権侵害や悲劇が起きている。
 しかも「架空の人物」が作った「捨てアカウント」、これを「捨て垢」というそうだが、そこからの誹謗・中傷が圧倒的だ。
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」では電凸に加え、SNSでは「捨て垢」からの攻撃にさらされ“炎上”状態になり、中止に追い込まれた。
 「捨て垢」はいつでも削除・放棄できるので、投稿者を特定するのは極めて難しい。

「誹謗・中傷がいやならSNSをやめればいい」というが、いまやSNSは生活に欠かせないツール、使わざるを得ないのが実態だ。
 ツイッターやインスタグラムなどを運営する主要なSNS会社では、わいせつ画像の送信や個人へのなりすまし、ヘイトスピーチや差別的内容などについては、被害者からの削除依頼やアカウントの凍結要請を受け付けている。
 ただし、これらの対応も書き込みが残っている場合のみに有効なので、アカウントが削除されると、対応は難しい。

悪質な書き込みで、5月にプロレスラー木村花さんが、22歳の若さで自死したのをきっかけに、政府は被害者がSNS運営会社に、投稿者の電話番号を開示請求できるよう省令を改正する。
 また弁護士を通じ、投稿者の氏名と住所についても照会できるようにし、被害者が受けた損害への賠償について請求しやすくする改正も、検討されている。
 来年の通常国会に、開示ルールを定めた「プロバイダー責任制限法」の改正案を提出する予定だ。
一方、消費者や有権者からの指摘・批判、内部告発などを受けた企業や政治家が、投稿者に圧力をかけようと、この開示制度を悪用する危険もある。政治や行政、企業に対する正当な批判まで封じ込めるなど絶対にあってはならない。

ドイツではネット上のヘイト表現に対して、法律で24時間以内の削除を義務付け、違反した場合、最大5000万ユーロ(約60億円)の罰金を課す。
 日本はどうか。自主規制のみで、法律による削除は謳われていない。今なお、ヘイト投稿は後を絶たない。この11月、化粧品会社DHCが自社の公式サイトに、吉田嘉明会長の名で以下のような文章を掲載した。
 「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本人です」
この文章が12月16日朝のツイッター上で拡散され、在日コリアンへの差別的発言として批判が相次いだ。吉田会長は過去にもDHC公式サイトで在日コリアンへの差別的表現を行っていた。
 れっきとした会社組織が、ヘイトや人種差別につながる文章をホームページに掲載し、恬として恥じない。日本の企業の無責任さを、笑ってすますわけにはいかない。(2020/12/20)
posted by JCJ at 07:53 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする