2020年12月31日

2020年日本と世界のスポーツ回顧1=大野晃

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、世界スポーツは長い休眠状態に陥った。
 世界保健機構(WHO)は中国での感染拡大で1月末に緊急事態を宣言し、3月初めにはパンデミックを宣言した。
 日本政府は、4月に非常事態宣言し、その後、解除したが、感染は拡大する一方である。年末までに世界の感染者は、8000万人を超え、死者は175万人以上となった。
 日本でも感染者は22万人を超え、死者は3300人に達した。感染拡大防止策で、各国で、出入国制限や移動規制、外出自粛、日常生活での密閉、密集、密接の回避が求められ、人と人とに距離を置くことが強いられた。
 これでは、スポーツは、することも、見ることも自由にできない。
 東京五輪・パラリンピック開催は、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と安倍晋三首相の思惑で1年延期されたが、国際競技会が相次いで中止された。
 五輪やパラリンピックを目指した競技者たちは、練習がままならない生活を余儀なくされた。欧米のサッカー、野球などのプロ競技は、無観客試合から観客制限試合に追い込まれ、試合数の大幅減少などで、大損失の興行が続いた。
 日本でも、一時的な全面禁止から再開されても、プロ興行は無観客から観客制限を強いられ、プロ競技は苦境に立たされた。
 大学、高校スポーツは、一時的に停止され、再開されても、春夏の甲子園の高校野球全国大会など歴史と伝統を持つ多くの競技会が中止された。全国高校総合体育大会も中止となった。市民スポーツは大幅に制限された。
 感染拡大は、第1波から第3波へと激しく進み、年末に最悪の状態となって、国民はコロナ禍で、21年のスポーツライフを展望できない不安に包まれた。
 スポーツ・マスメディアは感染拡大防止策により、自由な取材が制限されたこともあり、真実に迫る姿勢を欠いた。(→続きを読む)


[世界の特徴]
1、20年東京オリ・パラの1年延期決定。
◎IOCは3月17日に臨時理事会と各国際競技団体(IF)との合同会議を、いずれも電話会議形式で開き、新型コロナウイルスの感染拡大で懸念が高まっている東京五輪を予定通り開催する方針を再確認した。
◎ところが、3月24日にバッハIOC会長と安倍首相の電話協議で、東京オリ・パラを21年へ1年延期することが合意され、IOCがその後に開いた理事会で正式承認した。計画通りの7月24日の開幕は困難と判断した。首相とともに協議に臨んだ森喜朗・大会組織委員会会長、小池百合子・東京都知事らを含めた日本側が延期を提案し、バッハ会長が同意したという。日本オリンピック委員会(JOC)は、蚊帳の外に置かれた。複数の国内オリンピック委員会(NOC)や競技団体、競技者から延期を求める声が高まり、IOCは3月22日の臨時理事会で、延期の検討へ方針転換していた。
◎7月17日に、IOC総会が21年7月23日から8月8日まで17日間の東京五輪の新日程を承認した。
◎IOCは、21年3月の総会(アテネ)で実施する会長選への立候補を11月30日に締め切り、バッハ会長だけが立候補を届け出たと発表した。任期は21年8月の東京五輪閉幕日の翌日から4年で、再任は1度のみ認められている。13年に就任したバッハ会長は、今年7月に続投の意欲を表明していた。
◎東京オリ・パラの1年延期は、21年までの任期中の五輪開催にこだわる安倍首相の政治的狙いと、21年の再選のため、開催に固執したバッハIOC会長の思惑が一致した結果だった。

2、21年東京オリ・パラ開催にも暗雲
◎20年秋からパンデミックの第3波が世界で猛威を振るい、21年東京オリ・パラの開催も、感染拡大防止策を徹底しなければならず、現実的に難しくなった。
◎日本での実験的な国際体操競技会が、感染拡大防止策を徹底し、入国時検査など検査漬けの毎日と隔離生活下で行われ、バッハIOC会長は「開催できる」を強調したが、具体的な方策は21年1月以降に持ち越された。
◎IOCは、22年にセネガルの首都ダカールで開催予定の夏季ユース五輪を26年に延期することを決めた。東京五輪が21年に延期されたことで、22年北京冬季五輪、24年パリ夏季五輪と大会が続くため、感染拡大で厳しい運営や財政状況にある国際競技団体などに配慮したという。

3、米大リーグは異例の短縮開催で、ドジャース世界一に
◎米大リーグは約4カ月遅れの7月23日に開幕し、従来の162試合から102試合に削減され、観客制限などもあり、30億jもの損失を見込みながら実施され、ドジャースが32年ぶりにワールドシリーズを制した。
◎米大リーグ・カブスのダルビッシュ有投手が7試合連続勝利など8勝をあげ、ナ・リーグ単独トップの最多勝投手となった。日本投手初の最多勝で、15年の右肘の靱帯再建手術から完全復活した。
4、ウィンブルドン中止
◎6月29日から予定されていたテニスのウィンブルドン選手権が中止となった。大会が中止になるのは第二次世界大戦以降初めてだった。
posted by JCJ at 02:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする