2020年12月30日

【隅井孝雄のメディアウオッチ】 東西二つの報道番組40年

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二つの報道番組、「映像20」(毎日放送=写真上)と「報道特集」(TBS=写真下)がともに40周年を迎えた。
 「映像20」は1980年4月に「映像80」として放送を開始、毎月最終日曜日の深夜0:50~1:50、関西地区のローカル放送だが、芸術祭賞、民間放送連盟賞、ジャーナリスト会議賞、国際エミー賞などおよそ140回も受賞、内外からの評価が高い。
11/29日の放送では「映像シリーズ40年〜関西発・真夜中のドキュメンタリズム」と題して、40年の歳月を振り返った。
 番組を作っているのは報道局ドキュメンタリー報道部、プロデューサー一人にディレクター4人。制作費はプライムタイムの番組の10分の1、20分の1ほどだが、制作者たちの創造性、先見性で補っていることが、優れた番組を生み出す基礎だ。
「報道特集」は当初「JNN報道特集」として1980年10月に放送が始まった。毎週土曜日17:30~18:50、TBS系列28局の全国放送。掘り下げた調査報道との評価が高い。
 TBSは1960年代、“報道のTBS”といわれた。看板番組「ニュースコープ」田英夫キャスターがベトナム取材報道を政府から咎められて退社(1970)、同じ頃、他の民放の報道系番組にも政府の干渉が続き“沈黙”の時代に入った。
 1980年代報道番組の復権を担ったのが「報道特集」だ。折からフィルムカメラに代わりENGカメラが現場に定着、どこへでも取材に入りたいという現場の記者たちの意欲に応えた。当時アメリカで評判だった報道番組「60ミニッツ」(米CBS,日曜18時)に触発されて週間のまとめ報道枠が誕生した、と初期のキャスターの一人田畑光永氏は語る。
 スタートに当たって「四つのコンセプト」が作られたと証言がある(現プロデューサー辻真氏)。1. 調査報道に取り組む、2. 評論家ではなく当事者の証言を、3. 賞をとることを目指さない(実際には新聞協会賞など多く受賞している)、4. 番組の飾りはできるだけ排する(11/25. 民間放送)。
 最近でも「桜を見る会」、「日本学術会議」などでの調査報道は活発に続けられている。民放報道の健闘を望みたい。
隅井孝雄( ジャーナリスト)。
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posted by JCJ at 01:00 | 隅井孝雄のメディアウオッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする