2021年01月12日

【スポーツ】 冬の風物詩に異変=大野晃

 元旦から、駅伝、サッカー、ラグビーなど屋外競技の日本一争いに熱戦が続いた。
高校、大学、実業団の競い合いで、プロ競技とは違った、ひたむきな奮闘が特徴だった。サッカー全日本選手権とラグビー高校大会はともに100回目、サッカー高校選手権は99回目、箱根大学駅伝は97回目と、長い歴史と伝統を誇る競技会が集中した。
 それは、高校生や大学生、実業団が挑むアマチュア競技が、古くから日本スポーツをリードしてきたことを物語る。寒風をものともせず、沿道やスタンドで声援を送る多くのファンの姿とともに、正月の風物詩になった。
 アマチュア競技の清新さに触れ、すがすがしさを体験することが、初詣に通じる、年頭の気分一新を国民に実感させたからだろう。
  しかし、節目の今年は、風物詩に異変が起こった。
 都市部での、昨年末からの新型コロナウイルス感染症の爆発的感染拡大により、沿道での応援や観客の大幅な制限、さらに無観客での競技会が強いられた。競技者の家族たちも、晴れの舞台に、多くが臨めなかった。
 心を一新できない不安な年明け。
 集団感染などで昨年、一時的な活動停止に追い込まれた競技者たちが少なくなく、練習不足は否めなかったものの、それでも、静まり返る競技場などで懸命なプレーを展開していた。
  しかし、こたつに入って、テレビなどの映像でしか触れないのでは、臨場感に乏しく、ゲームのように勝ち負けにはこだわっても、感動のシーンをともに歓喜することはできなかった。
 延期された東京五輪の開幕まで200日を切ったが、このままでは五輪を迎える気にはなれないのが、多くの国民の本音だろう。
 五輪を目指す競技者たちにも、動揺は起こっている。スポーツ風景が生活に溶け込んで、季節を感じる時代に、逆行する不幸。
  政府などの無策な感染対応は、日本のスポーツ文化を危うくし、国民の精神生活をも蝕んでいる。
大野晃(スポーツジャーナリスト)


posted by JCJ at 02:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする