2021年02月09日

【焦点】アマゾンのクラウド事業は世界シェアトップ 日本政府もサービスを採用=橋詰雅博

 米アマゾン・ドット・コムの創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO=57)が今年9月までに退任する。突然のことで少し驚いたが、後任のCEOにはクラウド部門責任者のアンディ・ジャーシー氏(53)が昇格する。
  今や売上高13兆1800億円のアマゾンといえば、各種商品の通販企業というイメージが強いが、利益面で支えているのはジャーシー氏が立ち上げたクラウド事業「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」だ。売り上げに占める比率こそ1割強にとどまるが、クラウドの世界シェアは約48%とダントツである。ちなみに第二位の米マイクロソフトは約16%、三位の中国のアリババ集団が約8%だ。
  クラウド分野に詳しい駒沢大学名誉教授の福家秀紀さん(情報メディ産業論・博士)はこう言う。
 「通販事業は安売りが中心だから利益率は低い。その点、AWSは大きな仕事が多いので利益率が高いのが特徴です。アマゾンは電子商取引をやるためサーバーをたくさん持っているので、サーバーに余裕がある。それでクラウド事業を始め、成功を収めた。民間企業からの受注のほかアマゾン関係者によると、米英政府からのクラウドの仕事も請け負っているようです。しかし、安全保障情報とか重要な経済情報など国家機密に関するものは政府独自のクラウドで扱っていると思う。情報が漏れるのを防ぐためです」
 実はAWSは日本法人を通じて日本政府のクラウドサービスを手掛けている。昨年10月から運用を始めているこのクラウドサーバーに入る情報は全府省や国会、裁判所ばかりでなく自治体も含まれる。前出の福家さんは「国内サーバーに保存されたデータがひそかに米国に転送される可能性がある。米国政府が日本のこんな情報が欲しいと要求されたら米アマゾンは拒むことはできないでしょうね」と警告する。
 アマゾンは日本の通販市場をがっちり握るだけでなく、今では日本政府の機密情報も入手できる位置にのし上がっている。アマゾンは油断がならない企業だ。
 橋詰雅博
posted by JCJ at 02:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする