2021年02月19日

【スポーツ】 理念すら否定の五輪、開催は無理=大野晃

 森喜朗・東京五輪パラリンピック組織委員会長の女性蔑視発言は、五輪パラリンピックの理念を無視し、強引に大会開催を目指す組織委員会や東京都、国、さらには日本オリンピック委員会(JOC)の実態を露呈した。
 森会長の暴言に、抗議も辞任要求もしなかったことで、海外マスメディアなどによる国際的な批判を浴びている。
 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は黙認したが、開催関係者による五輪理念の尊重がおざなりだったことを実証し、開催資格に大きな疑義が生まれ、3月のIOC総会に向け、女性が増えたIOC委員や競技者を送り出す各国オリンピック委員会の批判が高まるのは必至だ。
 元首相として10年以上も前からラグビーやサッカーのワールドカップや五輪を連続開催して活力ある日本を示す国家運動を推進してきた森会長は、実利優先で、理念は添え物程度の認識なのだろうが、それ自体が時代錯誤であり、曲がり角の五輪は、国際的信頼を確保するために、理念を重視せざるを得ない。

  性差別撤廃は最重要課題であり、女性参加を促進し、東京五輪全種目の51%に出場可能へと拡大した。
 にもかかわらず、中心的理念に敵対する考えを示すリーダーによる大会の運営は、コロナ禍であえて開催する意義の喪失につながり、競技者はじめ、支援ボランティアたちに、目標を見失わせる許しがたい暴挙である。 
  安倍晋三前首相の原発汚染水処理の欺瞞により開催権を搾取した疑念は消えず、コロナ禍の対応に疑問を抱かせる五輪開催が、理念にすら否定的では、開催は無理と世界は認識したに違いない。
  沈黙するJOCへの不信は、竹田恒和前会長の招致買収疑惑もあって、増幅する可能性がある。理念を軽視して、関係者の監視を怠ったマスメディアの責任は大きい。
 競技者が大きな声をあげない限り、東京五輪パラリンピックは幻の大会となりそうだ。
 大野晃(スポーツジャーナリスト)
posted by JCJ at 02:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする