2021年03月21日

【今週の風考計】3.21─「直美」と「なおみ」の深い気持ちに心を寄せて

タレントの渡辺直美さんを「ブタ」に見立て、東京五輪の開会イベントに「オリンピッグ」なるキャラクターとして、登場させようというのだから呆れる。人の容姿を侮辱し嘲るルッキズムは「差別」そのもの。
 それを平気で舞台化する案をLINEに流したディレクターが辞任した。当然だ。
当の渡辺直美さんは、「私がブタになる必然性ってありますか?」と、目に涙を浮かべて語っている。
 「デブとか言ってくる人に屈したくないの。私のことは私が決める。人の見た目で、ものを決める時代じゃない」と言い切り、「同じようにコンプレックスに悩む人、乗り越えた人に…自分に自信を持って、自分のことを愛して欲しいし、自分のことを誇って欲しいと思う」と訴えている。
彼女は米国の歌姫ビヨンセのモノマネでブレイクしたが、その後、ファッションリーダーとしても支持を集め、SNSのフォロワー数は930万人を超える。3月いっぱいで日本のレギュラー番組を卒業し、4月から米国に活動拠点を移す。しかも契約した米国のエージェントは、ビヨンセも所属する会社だ。

ビヨンセといえば、大坂なおみ選手を挙げねばならぬ。昨年10月16日に、23歳の誕生日を迎えた彼女は、かねてから大ファンを公言していた歌姫ビヨンセから、バースデイメッセージをもらい大感激! あの強さの原動力にもなっている。
白人警官による黒人男性フロイドさん死亡事件を機に、人種差別や警察暴力に対する抗議の声を上げ、事件現場のミネアポリスにも出向いて抗議に参加した。
 その理由を語り、こう訴えた。「『人種差別主義者ではない』だけでは不十分だ。反人種差別主義者でなくてはならない」と。全米オープンでは、警察の手で亡くなった黒人の名前が書かれたマスクを着用して試合を続けた。
まさに「ブラック・ライブズ・マター」運動を牽引するスポーツプレイヤーであり、かつ「社会正義の活動家」とも呼ばれ、昨年の米国タイム誌<世界で最も影響力のある100人>の1人に選ばれている。
 意見すべき時は声をあげる芯の強さ、自信を持って自分らしく振る舞う姿、まさに「イケてる」とでも表現する格好良さ、素晴らしい。

今週は、人種差別と闘う人々との連帯週間である。1960年3月21日、南アフリカでアパルトヘイト反対を訴える平和的デモ行進に警官隊が発砲。69人が死亡したことから、21日を「国際人種差別撤廃デー」とし、それから1週間、世界中で人種差別の撤廃を求める運動が展開される。
 二人の「ナオミ」が提起した問いかけを、わが身に置き換え深く考え続けたい。(2021/3/21)
posted by JCJ at 07:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする