2021年04月10日

【沖縄リポート】南部の土砂採取 戦没者への冒涜=浦島悦子

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 沖縄戦戦没者の遺骨収集ボランティアを約40年間続けている「ガマフヤー(ガマを掘る人)」の具志堅隆松さんとその賛同者たちが、戦没者の遺骨が残る沖縄島南部の土砂を辺野古新基地建設の埋め立てに使う計画の断念、自然公園法に基づく知事の中止命令などを求めて、県庁前で行った6日間(3月1〜6日)のハンガーストライキは、沖縄戦体験者をはじめ多くの県民の心を揺り動かした。
 沖縄防衛局は当初、埋立土砂の3分の2を県外から調達する計画だったが、沖縄県が2015年に制定した「埋立用材に係る外来生物の侵入防止に係る条例」や輸送コスト等から県内調達に方針を変更。沖縄島南部から必要量の7割を調達できるとしている。
 沖縄戦から76年が経った今も、激戦地だった南部では、掘れば必ず遺骨が出てくる。但し、長年の間に風化した遺骨は、南部特有の地質である石灰岩と見分けるのは難しいという。それを丁寧に掘り起こし、DNA鑑定して遺族のもとに返す活動をやってきた具志堅さんが、遺骨収集に行った際、土砂採取の前の森林伐採が行われているのを発見。矢も楯もたまらず行動を起こしたのだ。
 遺骨はウチナーンチュだけではない。日本兵も米兵もいる。「辺野古基地に賛成・反対以前の問題。戦没者への冒涜であり人間のやることではない!」
 この問題については市民や、宗派を超えた宗教者たちによる抗議・要請・署名活動などがすでに行われてきたが、具志堅さんの身を挺した行動はそれらに一気に火を点けた。ハンスト現場には連日、多くの県民が集い、涙ながらに沖縄戦体験を語る高齢者の姿があった。最終日の6日(土曜)朝には玉城デニー知事が訪れて具志堅さんの話に耳を傾け、「県民の深い思いを行政に反映できるよう努力したい」と述べた。
 土砂業界の利権も絡み、解決は簡単ではないが、10日には自民党沖縄県連・公明党県本部も沖縄防衛局に「人道上許されない」とする要請書を出した。防衛省は虎の尾を踏んでしまったのかもしれない。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年3月25日号
posted by JCJ at 02:00 | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする