2021年04月19日

【スポーツ】五輪中止の時が来た=大野晃

 1年延期された東京五輪の開幕予定まで100日を切った。
都内の新型コロナウイルス感染症再拡大の勢いは強まり、関西圏など全国的な再拡大が急激に進んでいる。 ワクチン接種は遅れ、医療逼迫の危機が続く。
  組織委員会は安全、安心な運営を目指すというが、海外観客受け入れを断念しても、33競技が17日間に集中する大会の、国内観客の大きな移動は、感染拡大を助長する危険がある。
 しかも、感染拡大の収束を見せない諸外国の延べ1万人以上の競技者を受け入れて、検査漬けと隔離を特徴とする対策を徹底できる検査体制や関係人員確保の目途は立たない。
  無謀な開催が、地域の医療逼迫を増幅し、世界再拡大の契機となる危険を否定できない。
 国際水泳連盟は、東京での五輪テスト大会を延期し、国際競技連盟に開催への不信が生まれている。 北朝鮮が不参加を表明し、感染対策での不参加の拡大も予想される。
  世論調査などによれば、五輪を招いた都民の大半が、開催すべきでないと考えている。
 1年余の感染拡大防止策の失敗による再拡大の現状と、民意を重視すれば、都が五輪開催返上を政治決断する時が来た。
 代替開催の可能性はなく、国際オリンピック委員会(IOC)は開催中止を決定せざるを得ない。 
 無理は承知で、失政隠蔽や違約負担のために、都や支援の国が判断を避けて、IOCの決断に委ねるのは国際的な背信である。
 社会性や国際性を意識してきた日本の五輪代表や競技者は、国民に犠牲を強いる立場にない。世界の仲間と連帯して、公正な競技を続けるため、苦渋の決断の覚悟が必要だ。
 東京開催を推進した日本オリンピック委員会(JOC)は、競技者の意志を集約し、臨時総会を開催して、開催断念を表明し、都の決断を促すべきではないか。
  国民とともにある社会的、国際的責任だろう。 競技者や関係者が、自ら決断することこそ、将来の五輪とスポーツの発展を保障する。
大野晃 (スポーツジャーナリスト)

posted by JCJ at 02:00 | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする