2021年05月02日

【今週の風考計】5.2─小惑星「リュウグウ」の石に有機物が含有!

地上から約400キロメートル上空に建設された巨大な国際宇宙ステーション、日本の上空を光りながら横切る航跡は、肉眼でもとらえることができる。
その船長に宇宙飛行士の星出彰彦さんが就任した。日本人としては2人目だ。1周約90分のスピードで地球を廻りながら、地球に帰還するまでの6カ月、実験・研究、地球や天体の観測などの指揮をとる。この観測を通して未知の領域に迫り、新たな成果を積み上げてほしい。

ここにきて中国も29日、独自の宇宙ステーションのコアモジュール「天和」を打ち上げた。来年には総重量約66トンのT字型の施設になる予定だという。完成から10年以上の寿命を持つ計画で、3名から最大6名までの宇宙飛行士が6カ月間滞在できる。
 3年後に国際宇宙ステーションが退役した場合、これに代わる唯一の有人宇宙施設になる。中国政府は2030年までに米国と並ぶ「宇宙強国」となる目標を掲げ、今年6月には火星に無人探査機を着陸させる予定だ。

宇宙の覇権争いにならぬよう、科学者の国際的な協力や責任・良心に期待するところが大きい。まだまだ宇宙の謎は尽きない。その解明に向けて、日本の宇宙科学者が積み上げてきた成果も見逃してはならない。
 昨年12月、日本の宇宙探査機「はやぶさ2」が、地球から約3億キロメートル離れた小惑星「リュウグウ」から、小石や砂を採集し持ち帰った。打ち上げから6年の旅路を経て、もたらされた試料の解析が進んでいる。
とりわけ有機物に富む天体とみられる小惑星「リュウグウ」は、直径900メートルの“おだんご”のような球形で、表面は黒っぽく、地球と火星の間を公転する軌道を、7時間半ほどの自転をしながら動いている。
 また30万年〜800万年前のある期間に、現在よりも太陽に近づく軌道にあり、太陽光に焼かれて表面の物質は赤く変化し、表面の物質分布の状況が火星に似ているという。

このほど宇宙航空開発機構(JAXA)は、小惑星「リュウグウ」から採集した石に、さまざまな波長の光を当てて観察したところ、吸収光の波長から炭素を含む有機物や含水鉱物の特徴を確認した。
 また小惑星「リュウグウ」の石に、波長の長い光を当てると、最大で直径3ミリ程度の色が異なる粒子が発見された。こうした粒子は含水鉱物の特徴を示し、小惑星「リュウグウ」の成り立ちに迫る鍵ともなる。
太陽系が誕生した約46億年前の様子を知る手掛かりを得るのはもちろん、小惑星「リュウグウ」の有機物が、どうやって地球にもたらされたか、そのメカニズムが分かれば、地球上に存在する海水や生命の起源を探ることにもつながる。さらなる研究の成果に期待がつのる。(2021/5/2)
posted by JCJ at 07:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする