2021年05月09日

【今週の風考計】5.9─「シフト制・ギグ労働」の劣悪な事態を直ちに是正せよ!

3回目の緊急事態宣言が、またも延長。約束は守れず、出口は示せず、ただただ自粛と休業要請を押しつけるだけ。もういい加減にせよ。
 とはいえ筆者もまた“巣ごもり”に逃避し、市井の人々の苦しみや実態に、どれだけ目を向けてきたか、高見からの物言いに終わっていなかったか、忸怩たる思いや反省がつのる。
コロナ関連倒産は、この4月末までに1400件を突破。飲食業に限れば、この1年間で230件が倒産した。解雇・雇い止めも10万人を超える。完全失業者数は198万人、失業率2.9%、非正規労働者は2066万人に及ぶ。

ここにきて、一定期間ごとに仕事日を決めるシフト制で働く飲食店従業員やデリバリーらが立ち上がった。休業手当の適用拡大や最低シフト保障などを求めて、厚労省に要請書を提出した。
 理由は、政府の休業要請に対応するとして、会社が一方的にシフトカットを進め、シフトが未確定を理由に、本人に休業手当を支払わないケースが増えてきているからだ。
 これまで厚労省はシフトが未確定の期間は、会社には休業手当を支払う義務はないとしてきた。この是正を求める要請だ。
昨年7月、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」が創設され、コロナを理由とする休業には、8割の賃金補償がされる。だが会社は休業手当を払う範囲が広がると、将来的に困るので申請したがらない。政府から支給される休業手当金なのに、それをもらわず犠牲だけをシフト制労働者に強いている。

その結果、統計上には表れない「実質的失業」「隠れ休業」とも呼ぶ「見えない失業者」が146万人となった。雇用関係はあっても仕事が激減のシフト制勤務の非正規労働者が、この状態に陥りやすい。
 「完全失業者」198万人、「休業者」244万人、「見えない失業者」146万人、これらを加算すれば失業率は2.9%どころか、6%に上るのは間違いない。

さらに「ウーバーイーツ」が、料理などをデリバリーする配達員への報酬を、3割も削減する新体系を10日から全国に拡大する。しかも報酬の基準・内訳が示されず、「1回の配達が100円台」「距離にかかわらず一律300円」といった事例が頻発している。
 「ウーバーイーツ」の配達員は、いわゆるギグワーカーと呼ばれ、会社と雇用関係にある労働者ではなく、個人事業主扱いにされる。そのため労働法や最低賃金が適用されない上に、解雇に関する制限もない。
また会社の福利厚生や社会保険制度が使えず、事故にあっても労災保険すら適用されない。まさに会社にとって低報酬で好きなように働かせられる「捨て駒」として、位置づけられているのが実態だ。
 米国バイデン政権が進める「PRO Act」法案、すなわちギグワーカーなどの労働組合結成や労組活動を促進し、生活水準向上を目指す労働法改革が、日本でも急がれる。(2021/5/9)
posted by JCJ at 07:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする