2021年05月10日

【焦点】ぼったくり<oッハ会長の年収約3千万 金の亡者IOC=橋詰雅博

 米紙ワシントン・ポスト(5月5日付)から「ぼったくり男爵」と痛烈に批判されたバッハ会長。この男が率いるIOC(国際オリンピック委員会)は、改めでどんな組織なのか。平和の祭典を掲げてオリンピックムーブメントを盛り上げる一方で、世界最大級のスポーツ興行主でNGO(非政府組織)であり、NPO(非営利組織)である。NGOであるがゆえに所得税の減免などの特権を受けている。

 なぜ本部スイスに
 また、NPOに関しても税制面で優遇措置されているが、これにはローザンヌ市に本部を構えていることからスイスの税制によって節税を実現している。スイスではNPOへの規制が極めて緩く、財務や報酬の公開を必要としない。NPOだが収益事業も可能で、法人税も優遇されている。このためIOCだけでなく国際サッカー連盟(FIFA)など約50の国際スポーツ団体はNPOとしてスイス国内に本部を置いている。IOCが設立された1894年6月以降ローザンヌ市に本拠地を置くのは、こうした理由からだ。
 バッハ会長の報酬は年収22万5千ユーロ(約2972万円)。日本の知事の平均年収は2200万円だからそれをかなり上回る。サラマンチ、ジャックロゲ会長時代は無報酬だったこともある。
 IOCはいろんな財団を傘下に抱えており、その中核が1992年12月に設立されたオリンピック財団だ。オリンピックムーブメントの活動支援が目的のこの財団は、様々な会社を傘下に収める。この中で大きな収入源となっているのがオリンピック・ブロードキャスティング・サービス(OBS)だ。OBSは五輪競技の撮影の仕事を請け負っている。開催国はIOCとの契約でOBSへの発注が義務付けられているからだ
 
 寄付を環流で懐へ
 この金額は非公表だが、元毎日新聞記者でジャーナリストの後藤逸郎さんは自著『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』(文春新書)で<数百億円とみられる>と書いている。そのうえでこう続けている。
<IOCはテレビ放送権で得た巨額の収入の一部を、開催都市に運営費の一部として寄付している。しかし、開催都市がOBSと契約せざるを得ない以上、IOCの寄付はいったん開催都市を経由し、IOCの関係会社に戻るだけに過ぎない>
 寄付を環流させてIOCの懐に入る仕組みをつくり上げている。
 先のワシントン・ポストは「収益のほとんどを自分たちのものにし、費用は開催国に押し付けている」とIOCの金をまき上げる金権体質を喝破した。IOCの錬金術に一役買うOBSは、その代表的なケース。コロナ禍での平和の祭典の強行は人命軽視そのものだ。ましてや金まみれの東京五輪、中止の流れは食い止められない。
 橋詰雅博

posted by JCJ at 02:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする