2021年05月16日

【今週の風考計】5.16─ワクチン接種をめぐるドロナワ処方箋の行方

<7月末までにワクチン2回接種、1日の接種100万回!>─政府の大号令ラッパが鳴り響く。だが「ワクチン狂騒曲」に翻弄される自治体や65歳以上の高齢者3600万人は、テンワヤンワの騒動に放り込まれた。
 接種券が届いても、予約の電話がつながらず、ネットのサイトも停止、役所の窓口には予約を求めて高齢者が殺到し、右往左往するばかり。

世界各国は、1年前からワクチン接種へのロードマップを作り、スムーズな実施に向け全力を挙げてきた。米国では、18歳以上の約1億900万人がワクチン接種を終え、接種率は45.8%だ。
 日本はどうか。ワクチン接種率は2.1%、世界で129位、OECD加盟国37カ国の中で最下位。韓国は7.1%の世界98位、日本はミャンマーの3.2%よりも低い。
緊急事態宣言3回目になって、大慌てでワクチン接種の大号令、だが対策はドロナワで混乱を招くばかり。医療従事者への先行接種すら終わらず、1回でも接種を受けた高齢者は1%程度にすぎない。
 接種の遅れや政府の対応に、楽天・三木谷社長も東京五輪の開催は「自殺行為だ」と声を上げる事態。さらに専門家の怒りも爆発、1道2県に緊急事態宣言が追加発令された。

急きょ防衛省が東京・大阪に設けたワクチン接種大規模センター、17日から予約を受け付ける。自衛隊の医官・看護官280人が中核を担うとはいえ、会場の衛生保持のノウハウがないので、結局は民間3事業者に計36億8千万円で委託する。
 大手町の東京会場は「日本旅行」と約19億5千万円で、中之島の大阪会場は「東武トップツアーズ」と約9億7千万円で契約し、会場運営などを委託。民間看護師1日200人の確保は、人材派遣会社「キャリア」と約7億6千万円で入札契約している。
1日当たり東京で1万人、大阪で5千人へ認可申請中の米国モデルナ社製ワクチン接種を見込むが、どこまでスムーズに対応できるか予断を許さない。2重予約や異なる製造会社のワクチン接種による副反応の心配もある。
 さらに政府はコロナ・ワクチン確保のため、5120億円の追加支出を決定した。米国のファイザー、モデルナ、ノババックス3社から計2億5千万回分のワクチン購入に充てるという。だがその配分や使い分けは見えてこない。

変異株の英国型や南ア型に続きインド型の猛威が広がり、従来のワクチンが効くか不安が増している。ある研究機関の抗体検査によると、2回ワクチン接種した人の9割には、変異型の感染にも予防効果があるとのうれしい報告も発表された。
とはいえ「ワクチン狂騒曲」が終演するのはスズ虫が鳴く秋ごろと、予測する有識者の意見は無視できない。ワクチン接種のドロナワ対応のツケに他ならない。(2021/5/16)
posted by JCJ at 07:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする