2021年05月29日

【出版】「赤狩り」を総括 毎日新聞記者OBらが記録集=明珍美紀 

                                   
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 毎日新聞のOBらが企画した記録集「検証 良心の自由 レッド・パージ70年」が刊行され、記念の集いがこの春、東京・水道橋のキッチン付きレンタルスペース「余白」で行われた。
 副題は「新聞の罪と居直り―毎日新聞を手始めに―」。昨年は、マッカーサーの反共声明(1950年)に端を発するレッド・パージから70年。それを機に元毎日新聞労組委員長の大住広人さん(83)=元社会部記者=が中心となって執筆し、毎日の関係者と朝日、共同のOBらが寄稿した。
 前半の「追放された人間像」の章では、元政治部の嶌信正さん(元毎日記者で経済ジャーナリスト、嶌信彦さんの父)、速記者から社会部を経て政治部に移った小林登美枝さん(その後は女性史研究家として活動)ら4人(いずれも故人)に焦点を当てる。小林さんの夫も元記者で解雇を通告された一人だ。
 当時、新聞、通信、放送の49社、約700人がパージの対象になった。解雇撤回闘争が始まり、横断的な組織として「言論弾圧反対同盟」が結成された。有楽町駅をはさんで北口に毎日、南口に朝日の社屋があり、さかんにビラまきが行われたという。けれども会社側は「GHQや日本政府を意識しての点数稼ぎに懸命だったと言わざるを得ない」と大住さん。記録集には新聞労働者への弾圧の過程が記される。
 レッド・パージに関しては60年代から一部関係者による発掘、調査が進められている。だが、「人権・報道に敏感であるべき新聞がきちんと総括をしてこなかった」と記録集の発案者で元毎日労組書記長の福島清さん(82)は言う。
 私は生前の小林登美枝さんから話を聞き、朝日新聞の「朝日RP(レッドパージ)の会」(すでに解散)の年一回の会合にも参加していた。福島さんの言葉は、まさに現役記者に向けられたものだと受け止めている。
 記録集は、福島さんが事務局を務める「北大生・宮澤弘幸『スパイ冤罪事件』の真相を広める会」が刊行。一冊2000円。問い合わせは千代田区労協(03・3264・2905)。
 明珍美紀(元新聞労連委員長・毎日新聞記者)
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年4月25日号
posted by JCJ at 02:00 | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする