2021年06月03日

【リアル北朝鮮】15年後には生活改善 反社会主義的行為を警戒か=文聖姫

 4月末、北朝鮮の平壌で青年同盟第10回大会が開催された。金正恩朝鮮労働党総書記は大会宛てに送った書簡で、次のように述べた。
 「今後5年を朝鮮式社会主義建設で画期的発展をもたらす効果的な5年、山河を今一度大きく変貌させる大変革の5年にしようと思っている」
 「今後15年ほどで全人民が幸福を享受する、繫栄した社会主義強国を打ち立てようと思う」
 前者は今年初めに開催された朝鮮労働党第8回大会で発表された5カ年経済計画を遂行することで、北朝鮮の経済を一変させる決意を示したものだろう。
 注目されるのは後者の方だ。金総書記は、15年後という期限を設定して、人々が豊かな生活を享受する国家を建設することを約束したのである。このことを若者の団体に宛てた書簡で表明したという点は興味深い。15年後と言えば、現在20歳の人が35歳になっている。男女を問わずバリバリ働いている頃だ。結婚して家庭を築いている人も少なくないと思われる。若者たちにあと少し頑張れば、きっと良い世の中になるという“希望”を持たせようとするものだが、15年は決して短いとは言えない。
 一方で書簡は、「反社会主義、非社会主義的な行為との闘い」に専念するよう呼び掛けている。たとえば、韓国ドラマを見るのも「反社会主義的行為」にあたる。最近では、日本でもハマる人続出の韓国ドラマ『愛の不時着』がいよいよ北朝鮮国内でも流行り出したという報道があった。真偽は定かではないが、韓国ドラマが北朝鮮国内で密に流行していることは昔から言われてきた。筆者も平壌で、韓国ドラマの女性主人公のファッションを真似したとしか思えない女性たちの集団を見かけたことがある。
 15年後には必ず幸せな生活を送れるようにして見せる――金総書記がそう発言した背景には、「反社会主義的行為」に走る若者への警戒感があるのかもしれない。
文聖姫(ジャーナリスト・博士)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年5月25日号
 


 
posted by JCJ at 01:00 | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする