2021年06月10日

【焦点】5G基地局設置に反対 強い電磁波は有毒 住民からの相談急増=橋詰雅博

                        
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               屋上に設置された携帯電話基地局

  4月の日米首脳会談でバイデン大統領と菅義偉首相は高速通信規格5Gと6Gの研究開発に日米合計45億ドル(約4860億円)を投資することを決めた。特にバイデン大統領は「安全で信頼できるネットワーク構築を」と日本に注文した。

 高い周波数  
  米国が中国に差をつけられているこの5Gは超高速や大容量がウリだが4Gよりもさらに高い周波数を使うので電波が届く距離が短く、ネットワーク構築に多くの基地局の設置が必要だ。このため日本は携帯電話会社が基地局設置を急拡大させている。
 しかし、一方では基地局設置に反対する住民とのトラブルが増えている。「電磁波からいのちを守る全国ネット」の運営委員でジャーナリストの黒藪哲哉さんがこう言う。
 「昨年10月ごろから基地局設置に反対する住民から『工事をやめさせるにはどうすればいいか』などの相談が増え始めた。今年4月末までの相談件数は50件ほど。全国ネット≠ヘ10年ほど前に発足したが、短期間にこんなにメールや電話で相談がきたのは初めて。基地局設置場所は民間マンションの屋上、民有地の空きスペース、公園などです。楽天モバイルなどの携帯電話会社は、基地局設置場所を確保した後、4Gや5Gの工事を行う。住民が設置に反対する理由は、基地局から出される強い電磁波による体への悪影響を心配しているからです」
  携帯会社は日本の基準値を守っているから大丈夫と弁明するが、国際非電離放射線防護員会が定めた電磁波被ばく基準値は900uW/cu(電力密度)で、日米は1000uW/cuとその基準値を上回る。住民が心配するのも無理もない。ちなみにベルギーの首都ブリュッセルは19・2、イタリアとロシアは10、スイスは9・5。健康を害する恐れがあると欧州評議会は国際的な基準値を0・1uW/cuまで引き下げることを求めている。
 
 発がん性警告も
 「基地局と携帯電話の急増で各国では電磁波が原因とみられる頭痛、めまい、吐き気、睡眠障害、耳鳴りなどが起きる電磁波過敏症≠フ発症者が増えている。日本は人口の3〜6%が電磁波過敏症者と言われている。また、WHO(世界保健機関)の国際がん研究機関は高い電磁波を『ヒトへの発がん性があるかもしれない』と警告。電磁波が人体に悪影響を及ぼすことは国際的に認知されている」(黒藪さん)
 とはいえ基地局はこれからどんどん設置される見込み。東京都の場合、19年から5G基地局を設置できる場所として都庁を始め電柱、信号機、美術館、劇場、公園などが書かれたリストを携帯電話会社に公開中だ。
 ではどうすればいいのか。
 「身の回りで基地局設置工事が進んでいることがわかれば、携帯電話会社に問い合わせる。工事が中止になることもある。また、携帯電話は極力使わず、固定電話を利用する。携帯電話を耳にあててしゃべるのはなるべく避けて、スピーカーに切り替える。そうすれば電磁波被ばく量は少なくて済む。そして放射能と同じく電磁波は危険という意識を強く持つようにする」(黒藪さん)
 電磁波の有害性を認識すれば、5G基地局設置への対応や携帯電話の使い方もおのずと変わってくるのではないだろうか。
橋詰雅博
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年5月25日号
                                  
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posted by JCJ at 01:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする