2021年06月26日

【焦点】1枚の写真で森友事件の悲劇が起きた=橋詰雅博

  赤城ファイルが開示され森友学園への国有地売却事件が新たな展開を見せている。国有地を森友学園に売却する転機になったのは1枚の写真だった。
 この豊中市の土地は近畿財務局の審査を経て9臆6千万円の値段がつけられていた。国有地は誰に売ってもいいというわけではない。病院や介護施設、保育園など地域住民に役立つ施設に売るのが条件だ。大阪音楽大学が買い手として名乗りを上げたが、価格が折り合わなかった。そのあと籠池泰典さんが小学校をつくりたいと2013年9月に申し出た。
 ところが計画はズサンだった。義務教育の小学校を建てるというのに認可はおりていない、資金集めのめどはたっていない、先生がいない、運営のビジョンがないなど中身がほとんどなかった。これでは売ることができないので、財務局は資金手当ての見通しや学校運営の構想を出してほしいと籠池さんに求めた。
 しかし出てこない。ついに14年4月の打ち合わせで財務局は出された計画書の説明次第では交渉を打ち切ると籠池さんに通告した。
 4月28日に安部晋三首相の昭恵夫人と籠池夫妻が一緒に写った例の写真を籠池さんは近畿財務局担当者に見せた。財務局OBが19年春号『季論21』でこう書いている。
<『いい土地ですから前に進めてください』と言われたと籠池さんは熱心に説いたそうです。この日が転機でした。攻守ところを変え、主客が転倒します。ひと月後には財務局は協力する旨を伝えています。籠池夫妻は財務局担当者に『そんな細かいこと言わんでええやないか』とか、しまいには『アホ、ボケ』とぼろくそに言い募っています>
 財務局内では籠池小学校計画を昭恵事案≠ニか安部事案≠ニ呼んでいて、無理筋の仕事と職員はこぼしていた。
 1枚の写真が結局、8億円の値引き、1億3千万の売却価格、公文書改ざんを強いられた赤木俊夫さんの自死の端緒になったのである。
 悲劇をもたらした安部前首相夫妻は罪深い。
 橋詰雅博

posted by JCJ at 01:00 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする