2021年07月18日

【今週の風考計】7.18─<世界最悪の経営者>ベゾスの地球帰還を許すな!

amazonのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が、7月5日付で退任した。退任して会長に就くや否や、20日には有人宇宙船「ニューシェパード」で宇宙旅行へ出発する。この「ニューシェパード」は、ベゾス自身が起こした会社が開発し、今回が処女飛行となる。
 すでに11日には、米国の大富豪リチャード・ブランソンが自分の企業グループ・バージンが開発した有人宇宙船で、いち早く宇宙旅行に出ている。大富豪同士の意地の張り合い、どうぞ宇宙で好き勝手にやってチョウダイ!

それより問題なのは、地球上で繰り広げるamazonのアコギな税逃れと劣悪な労働条件の押しつけである。その事態が深刻になるにつれ、amazon やベゾスへの反感は募るばかりだ。
 米国で「ベゾスの地球帰還を許すな」と銘打った、怒りの署名運動が展開され、1カ月も経たずに14万人を超す署名が集まっている。宇宙旅行をするなら、どうぞそのまま「もう戻ってくるな、地球外で遊覧していてくれ」そんな気持ちの表れだろう。
無理もない。2014年に国際労働組合総連合(ITUC)が、ベゾスを<世界最悪の経営者>に認定して以来、少しも改善されていないからだ。
 2年前までamazonの倉庫で働く人々はロボット同然の扱い、トイレに行く自由もなく、持参した飲料ビンへの用足しや紙おむつの着用を強いられていた。これが暴かれ世界各地で問題化した。今年4月には米国アラバマ州の物流倉庫の労働者に圧力をかけ、労働組合の結成を阻害している。

amazon創業は1994年、書籍のネット通販からはじめ、30年足らずで時価総額185兆円を超す巨大企業に発展した。今では2億人を超える通販会員を擁し、クラウドサービスなど新たな事業開発に注力している。
 ベゾスの総資産は日本円で21兆円。ペルーやギリシャ、ニュージランドのGDPに匹敵する。だが法人税や消費税などの税金は払わず、慈善事業が嫌いで“守銭奴”の異名がつく。
フリーランスの横田増生さんが、神奈川・小田原にあるamazonの巨大物流センターに潜入し、監視カメラが設置され、秒刻みで仕事がチェックされる作業員の実態や5年間で5人も死亡事故が起きた過酷な労働現場を告発している(『潜入ルポamazon帝国』小学館)。
 世界では175カ所以上の物流センターがある。日本国内では2020年現在20カ所、7年間で倍増している。その売り上げは1兆5千億円をこえる。日本で最大の物流会社になっている。

24時間の受付、翌日には配送してくれるamazon サービスの裏に、過酷な労働による犠牲があることを忘れてはならない。しかもベゾスは米国の新聞ワシントン・ポストも所有し、amazonに批判的な記事は徹底的に排除し、メディア支配を狙っていることも肝に銘ずべきだ。(2021/7/18)
posted by JCJ at 06:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする