2021年07月20日

【支部リポート】東海 何故咲いた?署名偽造のあだ花=加藤 剛

 コロナ禍を横目に愛知県では2020年夏から秋にかけて大村知事に対するリコール運動が展開され、大量の署名が不正・偽造と判明、逮捕者が出るなど今年に入ってからもごたごたが続いている。
 メディアはリコール運動の是非についてはあまり報道しなかったが、組織的な不正・偽造の判明で警察、検察が動くにつれて報道の見出しが大きくなり読者、視聴者の関心も先頭に立ったクリニック院長高須克哉氏や河村名古屋市長の関与の仕方、金の出どころ、週刊文春誌上での論戦(大村×河村)などに集まる傾向だ。
 しかし、メディアも市民県民も、大切なことを忘れていないだろうか。そもそも、このリコール運動はいったい何だったのか、偽造署名というあだ花は何故咲いたのか−−?

 「その後」のその後
 そもそもは、東京など各地の展示会で平和の少女像や天皇の肖像にかかわる作品、9条の俳句などの展示が外部からの抗議で取りやめになったため、その事例を実際に見て考えてもらおうという展示【表現の不自由展・その後】が一昨年愛知トリエンナーレ国際芸術祭の一部として企画・実行されたのが発端だ。
 事前にネットで紹介されたこともあって展示前から「平和の少女像」などの展示に反対する電話やファクスが目立ち、主催団体の幹部の一人(代表代行)である河村名古屋市長までが展示に反対を表明、反対者の一人から「ガソリンを持って会場へお邪魔する」という強迫のファクスが届くに及んで主催団体(代表=大村愛知県知事)は展示開始の二日後「表現の不自由展・その後」の中止に踏み切った。
 これに対し多くの市民団体が表現の自由を守る立場から中止に抗議し展示の再開を求める運動を展開、裁判和解による再開を実現した。

 もう一つ「そ・の・後」
 ところがこれで一件落着とはならなかった。主催団体の代表代行まで出している名古屋市が決められた分担金の支払いに応じないため代表の大村知事が河村名古屋市長を相手に支払い請求の裁判を起こした
 河村氏はこれに反発、コロナで市政多忙の時期にもかかわらず、ネトウヨを自任する高須克哉氏ともに大村知事リコールの運動を展開、街頭にも立ち「陛下の写真を燃やす絵の展示に金を払えという大村知事はやめてチョウ」と署名を呼び掛けた。
 河村氏は当初「慰安婦・少女像」の展示を非難の中心に据えていたがリコール運動では「陛下の写真を燃やす絵」を目の敵にした。
 リコール運動の本質は「表現の自由」抑圧であり、百田直樹氏ら著名人の協力を得ても少数の支持しか集まらなかったために不正のあだ花は咲いたのである。
 加藤 剛
posted by JCJ at 01:00 | 東海・中部 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする