2021年07月25日

【今週の風考計】7.25─大会経費が3兆円を超える<東京五輪の闇>

★「東京五輪」が開幕した。コロナの再パンデミックが猛威を広げ、東京でも4回目の緊急事態宣言が発令、第5波の襲来がいわれている。その最中に開催を強行した。
 政府やIOCは、医療従事者や専門家の意見を無視し、中止や再延期を求める国内外からの大きな声にも、耳を傾けず突っ走った。
★閉幕する8月8日までに、コロナ変異株が若い世代へ急拡大するのは間違いない。とりわけ今夏の異常な暑さに、熱中症の頻発も重なり、医療従事者の負担や病床のひっ迫は避けられない。

★「安心・安全の祭典」どころか、入国した選手や関係者の間で、もう123人ものコロナ感染者が出ている。「バブル方式」で防ぐなど幻想だ。いかに拡大させないか、国名や氏名の公表も含め厳重管理が不可欠になっている。
 閉幕して帰国する際には、「東京五輪発」の変異株ウイルスを持ち帰らないよう、細心のチェックも必要だろう。もしアスリート人生に支障でも生じ、損害賠償などの請求が来たら、どうするのか。杞憂で済まされない。

★さらに見過ごしてならないのは、「東京五輪」の開催費用である。<#五輪の「闇」>というハッシュタグまでついて、その不明朗な実態を追究する動きが起きている。
 2013年に日本の招致委員会がIOCに行った説明では、競技会場や選手村を集約し、「世界一コンパクト」な会場による開催を計画し、開催費用も7300億円程度としていた。
★しかし、何度も経費の上積みを重ね、2019年末で1兆3500億円、2020年末には新型コロナによる延期と感染防止対策の2940億円を加え、約1兆6440億円に膨れ上がった。なんと当初の2.2倍だ。
 関連経費を加えると大会経費は3兆円を超え、五輪史上もっとも経費のかかる大会となる。この赤字の尻拭いは税金。つまり背負わされるのは国民だ。

★大会経費が膨張した背景には、IOC「五輪貴族」からの要請、電通やパソナグループなどの大企業による五輪経費の中抜き、ピンハネの横行がある。開閉式の費用に限ってみても、電通による制作に5輪史上最高額の165億円を支払う。
 メイン会場・新国立競技場の建設費用は1530億円。当時の猪瀬直樹都知事が「40年前の五輪施設を使うので世界一コンパクトな会場」との公言は、どこにいったのか。
 競技場の維持運営費だって年間24億円という。五輪が終わったら、あまりにも高い経費がネックとなり、閉鎖となりかねない。

★今や五輪は、コロナ禍でもやめられないほど、利権が絡む「巨大なスポーツ興業」と化した。IOCと契約する米国のテレビ局NBCや巨大スポンサーの意向は無視できない。開催するだけで約1300億円のテレビ・マネーが懐に入る。こうした「五輪の闇」を晴らさなければ、五輪の未来はない。(2021/7/25)
posted by JCJ at 06:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする