2021年09月03日

【沖縄リポート】執行停止の手口でサンゴ移植すぐ再開=浦島悦子

                             
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 辺野古の海でまたも、国による暴挙が強行された。海の生態系を支えるサンゴの大量破壊・殺戮が続いている。
 新基地建設工事のためのサンゴ移植を巡る最高裁での敗訴判決(7月6日、前号で報告)に、不本意ながら従わざるを得ないと判断した沖縄県は28日、沖縄防衛局に移植(サンゴ約4万群体)を許可した。但し、サンゴの生存率を高めるため、高温期や台風時期、繁殖期を避けるという条件付きで。
 ところが防衛局は、条件などハナから無視して翌29日から移植作業を開始。県の行政指導にも応じなかったため、玉城デニー知事は30日、許可を撤回。31日から作業は止まった。県の「許可」に忸怩たる思いだった県民は、知事の素早い「撤回」に拍手喝采した。
 しかし、この国ではもはや、真っ当な理屈は通らない。案の定、防衛局は8月2日、撤回の執行停止を農水大臣に申し立て、県は撤回の正当性を主張する意見書を提出した(4日)が、農水大臣は翌5日に執行停止を決定した。3年前、沖縄県による埋め立て承認撤回を、行政不服審査法を悪用して執行停止したのと同じ「手口」だ。

 間髪を置かず翌日から作業再開というのも「あの時」と同様だった。作業が止まったのはわずか1週間足らず。台風接近で波の高まる中、6日から再開された移植作業を監視する(コロナ感染拡大により抗議行動は休止中)海上行動チームの胸は悔しさでいっぱいだ(写真)。
 それにしても国は、何をそんなに焦っているのだろう…? サンゴの移植が保全に役立たないことは、専門家のみならずほぼ常識となっている。たとえうまくいったとしても、最高裁判決で反対意見を述べた裁判官が言ったように「設計変更が不承認になれば移植は無駄になる」のだ。もしかして国は、こんな(真っ当な)裁判官が増えないうちに強行したい? 血税の壮大なる無駄遣いによる自然と水産資源の破壊。こんなバカげたことを許してはならない!
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年8月25日号
posted by JCJ at 01:00 | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする