2021年09月26日

【今週の風考計】9.26─世界気候アクションに連帯しCO2削減60%へ

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんら世界の若者が、各国首脳が国連総会に集まるのに合わせ、24日、世界1500の都市で「世界気候アクション」に取り組んだ。
 グレタさんが2018年8月に始めた、気候危機への対応を迫る「学校ストライキ」は、その後、地球温暖化を防ぐ<未来のための金曜日>(Fridays For Future=FFF)行動に広がり、2019年9月には185カ国760万人が参加する「史上最大の世界一斉デモ」へと発展した。
日本でも、若者による気候正義ムーブメント「FFFジャパン」が、2019年2月に発足している。同年9月に行われた「グローバル気候マーチ」は、他団体と合わせ全国約5千人が参加する運動となった。
 その後「FFFジャパン」は全国30地域以上にネットワークを広げ、日本政府や企業に積極的な提言を行っている。今年の9月24日は、オンラインで「世界気候アクション」に取り組み、CO2削減に向けた対策の強化を訴えた。

深刻なのは、直近の国連報告書が「このままだと2030年までにCO2排出量は、減るどころか2010年比で16%増える」と指摘し、大幅な削減対策に取り組む緊急性を強調している。
日本政府はどうか、ようやく「2050年カーボンゼロ」を言い出したが、その内容たるや、2030年度までの削減目標は2010年度比で42%、欧米の先進諸国が削減目標50%〜60%を掲げているのに、あまりにも低すぎる。
 加えて石炭火力の新増設に執着し、国内で9件の新設を進め、インドネシア、バングラディシュ、ベトナムに石炭火力の輸出を推進しているのだから呆れる。

中国の習近平国家主席は、21日の国連総会で、今後は海外で新たな石炭火力発電事業は行わないと表明した。続けて「中国は発展途上国のグリーンエネルギー開発に向けて支援を強化する」と述べている。
さらに英国のジョンソン首相は、22日、国連総会で演説し、中国に国内での石炭火力発電を段階的に廃止するよう訴えた。
 英国は10月末に始まるCOP26の開催国だけに、CO2排出削減に向け、2030年までにガソリン車の新車販売を禁止し、電気自動車化や再生可能エネルギーの促進など10項目に120億ポンド(約1兆8千億円)を投じる計画だ。

だが日本は、総裁選で権力争いに明け暮れ、コロナ対策や気候危機に備えるエネルギー対策など、どこかに吹っ飛んでしまった。2030年には危機的な状況に陥るのは目に見えている。
そこへ日本共産党が9月1日、「気候危機を打開する2030戦略」を発表、2030年度までにCO2を50%から最大60%(2010年度比)削減する「野心的目標と取り組み」を明らかにした。
 具体的には省エネでエネルギー消費を40%削減し、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなえば、2030年度までの削減目標は達成できるとしている。しかもこの取り組みによって年間254万人の新規雇用が増え、GDP(国内総生産)を累積205兆円増やす展望が描けるという。
 こうした提言を政府や野党も含め、胸襟を開いて真剣に討議すべき秋だろう。(2021/9/26)
posted by JCJ at 06:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする