2021年09月28日
【焦点】裁判官宛て公正な判決求める要請はがき提出に取り組む 五輪選手村訴訟の原告団=橋詰雅博
東京・中央区晴海の五輪選手村住民訴訟は、都有地を周辺地価の10分の1以下の約130億円で大手デベロッパー11社に売却したのは違法だとして都民33人が都に対し、損害賠償約1500億円を小池百合子都知事らに請求するよう求めた裁判だ。4年間の審理を経て8月31日に東京地裁で結審した。ただ判決日は未定。
現在、原告団は裁判官宛に公正な判決を求める要請はがき(写真)を提出する活動に取り組んでいる。実はこの要請はがき作戦≠ヘ2回目だ。1回目は昨年10月以降に始めた「認証申出」に関するもの。小池都知事らを証人尋問して欲しいという内容だった。これが功を奏したのか、今年4月の裁判では、1日に原告の桝本行雄・不動産鑑定士が、8日には被告側の証人として約130億円の価格調査報告書を作成した日本不動産研究所の水戸部繁樹・不動産鑑定士がそれぞれ証言した。2回目の要請はがきが裁判官の心を揺り動かすことを期待したい。
学校用地に1u59万
マンション開発10万
ところで原告団が9月8日に開催した第4回総会で、中央区議会議員の小栗智恵さん(共産党)が選手村使用後のマンション群である通称「晴海フラッグ」のど真ん中の小中学校用地の区による購入価格について報告した。この都有地の路線価は1uあたり約100万円。中央区は都から公共施設の整備のための用地として「公共減額(路線価の5〜6割)」で買う予定だ。その敷地面積は16796uで、99億5千万円の予算を計上している。1uあたり59万2千円。都が大手大手デベロッパーに売却した選手村用地は1uあたり10万円だからいかに超格安かを示している。総会参加者は一様にその理不尽さに怒っていた。
裁判はどちらが勝っても控訴審に持ち込まれる。
橋詰雅博