北海道旭川市で昨年3月、中学2年生の廣瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)が凍死体で見つかり、背景にいじめが疑われている問題で、旭川市教委は3月27日、いじめがあったことを認める第三者委員会の中間報告の内容を遺族側に伝えた。29日に教育長が遺族と面会し、謝罪の意を直接伝えた。
報道によると、いじめの認定は6項目あるとされるが、詳細は明らかになっていない。市教委は遺族側との協議が整い次第、公表する方針。
この問題をめぐっては地元月刊誌が2019年9月、「女子生徒がいじめで自殺未遂 学校側は事件隠蔽に躍起」と報じたが、新聞・テレビは全く反応しなかった。
爽彩さんは昨年2月13日に自宅から失踪し、3月23日に凍死体で見つかったが、この時も新聞・テレビは「事件性なし」として無反応だった。
昨年4月に文春オンラインが凄惨ないじめの実態を報道したのを受け、市教委はやっと調査に着手した。その後は「学校・市教委の隠ぺい体質」を批判するメディアの自省なき報道が続いている。
山田寿彦 (北海道支部)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年4月25日号
2022年05月27日
この記事へのトラックバック