5年ぶり5時間の儚い命
◆書斎の出窓に放置しておいたサボテンが、遂に白い大輪の花を咲かせた。<月下美人>である。
植木鉢の支柱に添って、幅広の昆布に似た茎が80センチほど伸び、先端が垂れている。その垂れた茎の先端に貴重な蕾がつき、次第に伸びているのに気づいたのが6月半ばだったか。
◆それからは蕾が落ちないよう見守ってきたが、14日の夕方から蕾が膨らんできて、夜中の12時ごろ、ボンボリを思わせる白い花房がいっぱいに開いた。花の中には黄色い絹糸状のオシベがびっしりついている。何ともいえない良い香りが部屋に漂った。
◆念のため、家で咲いた<月下美人>の映像をみると、8年前の2014年7月2日夜遅く、それから3年後の2017年7月9日の深夜、開花の映像が残っている。
そして今年の7月15日0:15、なんと5年ぶりに開花した。その生命力に驚くばかり。だが5時間の儚き命。翌朝には筋ばかりが浮きでた花房を見ると悲しくなる。
◆いま<月下美人>は絶滅危惧種に指定されている。それもかえりみず人間は<月下美人>の花をスープの具に入れ薬膳料理とし、さらに咲いている花をむしり取り、焼酎につけて薬用酒にしてしまうというのだから怖い。
広がるカサブランカの芳香
◆さて白さでは、わが家の庭に咲くカサブランカも負けてはいない。昨年は15センチほど伸びた若芽を、誤って踏みつぶしてしまい、ダメにしてしまった。今年は根元を囲い、7月初めには1本の茎に6つも蕾がつくようになった。
◆開花するのを待っていたら、七夕の朝、いちばん下の蕾が開き、白い大きな反り返った花弁から、チョコレート色のオシベや花粉を受けるメシベが突き出ている。甘い香りも漂う。
◆2日ほどたって茎の中頃を切り、花瓶に挿してリビングに置いた。蕾が開くたびにオシベにあるチョコレート色の細長い花粉を、ティッシュで拭いとる。下から順に5つの蕾が開き、残るはいちばん上の一つだけ。豪華で圧倒される。
可憐な赤いサンタンカ
◆これまでリビングを彩っていた鉢植えの赤いサンタンカが、カサブランカに圧倒され、ますます小さく見える。6月半ばに園芸店で見つけて購入したものだ。
濃い緑の葉に長さ2センチほどの小さな尖った赤い花ビラが房状になって、こんもりと半円状に密集して咲いている。
サンタンカには、品種が400種以上もあるそうだが、わが家のサンタンカは「スーパーキング」、最も赤が映える品種。手間をかけずに長い間、楽しむことができる。沖縄では「三段花」といい、庭木として植栽されているという。
◆猛暑から梅雨に戻った感のある日々、<月下美人>にしろ、カサブランカやサンタンカも含め、けなげに咲いて私たちの気持ちを癒してくれる自然の恵みに感謝したい。(2022/7/17)
2022年07月17日
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