2022年08月22日

【焦点】会社側の妨害に負けず米国で労組が次々誕生 米国人の7割近くが支持=橋詰雅博

 世界最大コーヒーショップチェーンのスターバックスでは米国内200店舗以上で労働組合が結成された。全米レストラン協会は「米国の大手飲食店チェーンのうち労組が一番強い会社になった」と評した。
 会社側は組合結成に対してあの手この手で阻止した。@中心メンバーの一方的な解雇、A突然の店舗閉鎖、B新たに配置したマネージャーが予告なしにシフトを変更し指示に従わない従業員は解雇すると脅す、C作成した特別ウェブサイトに「労組はコーヒーを作る代わりに組合費を集めてももうけている」「求めたストに不参加なら労組は罰金を科す」などと反撃した――。
 今年4月にニューヨーク市の倉庫で初の組合が生まれたアマゾンでも会社側は妨害行動に出た。アラバマ州では、組合結成の是非を問う投票が認められると(2020年8月)、反対票を投じるようにと書かれたポスターを倉庫内のトイレにまで貼った。「団体交渉は結果的に労働者の損失につながる」「労組幹部は組合費から毎年10万ドル以上を使い車の購入にあてた」と書いたメールを従業員に送信した。
 根拠のない批判を流す一方では懐柔策も。最低でも時給15ドル(同州最低賃金の2倍)の賃金を支払い、医療健康保険にも加入させる。こうした待遇を提供するのだから年間50ドルの組合費を支払う必要はない。
 従業員による投票は結局、コロナ禍の影響で郵便投票になったが、会社側は郵政公社に依頼し倉庫の入り口付近の監視カメラのそばに郵便箱を設置させた。従業員のだれが投票したのかなどを把握できるようにしたのだ。
 アラバマ州でのアマゾンの組合結成は持ち越しになっている。しかし、同じ巨大IT企業のグーグルやアップルにも組合は誕生している。
 賃上げを上回るすごい物価高騰が組合結成の主因だ。自分たちの暮らしをよくしたいため労組が拡大していることについて民主党のサンダース上院議員は「労働者は機械の歯車ではない」とツイッターで主張した。
 昨年の米ギャラップ世論調査でも米国人の7割近くが労組を支持していて、1965年以来最も高い数値を記録した。
 米国の労働運動は大きな転換点に突入しているようだ。
  橋詰雅博
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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