2007年07月26日

2007年(第50回)JCJ賞 発表

《JCJ大賞》
受賞作 〈新聞長期企画と写真集〉『水俣病50年』(熊本日日新聞)
受賞者  熊本日日新聞「水俣病」取材班
受賞理由 熊本県水俣市で「水俣病」が公式確認されてから50年が経過したが、問題は解消されていない。地元紙の責務として被害者に寄り添って来た熊本日日新聞が1年半にわたって総力を挙げ、「50年」を再検証。海外の水銀公害にも目を配るなど問題の世界史的意味を明らかにした。

《JCJ賞》
受賞作 〈新聞長期企画〉『挑まれる沖縄戦/「集団自決」問題キャンペーン』(沖縄タイムス)
受賞者  沖縄タイムス「集団自決」問題取材班
受賞理由 沖縄戦での住民「集団自決」は「軍命令によるものではではなかった」とする策動に対し、沖縄タイムスは取材班を組んで、反撃。策動派は「大江健三郎・岩波書店」を告訴し、文部科学省は教科書検定で介入したが、同紙の長期キャンペーンは沖縄県「島ぐるみ」のたたかいをリードしている。

《JCJ賞》
受賞作 〈書籍〉『「改憲」の系譜/9条と日米同盟の現場』(新潮社)
受賞者  共同通信社憲法取材班
受賞理由 共同通信が04年から足かけ3年、200回にわたり配信した大型企画に、新たな取材を加えて再構成した。9条を含む憲法誕生の経緯が同時に憲法否定への欲望をはらんだ経過など、改憲を目論む大小の水脈を日米関係、戦後政界、および人のつながりの実際場面に即して語り尽くした浩瀚な一書である。

《JCJ賞》
受賞作  〈書籍〉『生きさせろ!/難民化する若者たち』(太田出版) 
受賞者  雨宮処凜(あまみや かりん)
受賞理由 現代の若者たちの絶望的な「生きづらさ」の実情を、自身「難民」のひとりとして彷徨した経験などを通じて等身大に描き、超低賃金、偽装派遣、過労死など若者を「生かさない」政治・経済の仕組みを告発し、連帯を呼びかける。若い女性作家の人権闘争宣言ともいえる。

《JCJ特別賞》
受賞作 〈ドキュメンタリー映画〉『ひめゆり』(製作プロダクション・エイシア)
受賞者  監督 柴田昌平(しばた しょうへい)、共同製作 財団法人沖縄県女師・一高女ひめゆり同窓会
受賞理由 沖縄戦から60年以上を経たが、10代の少女期に従軍看護要員として地獄を経験したひめゆり学徒隊の生存者は、語れない、語りたくない記憶を抱えている。それを元NHKディレクターの監督が13年かかって聞き出した証言の映像。「集団自決」問題などで歴史の改ざんが行われようとしている現在、意義深い作品というべきだ。

《黒田清JCJ新人賞》(第6回)
受賞作 〈書籍〉『コバウおじさんを知っていますか/新聞マンガにみる韓国現代史』
(草の根出版会)
受賞者  チョン インキョン(鄭仁敬)
受賞理由 韓国からの女子留学生がテーマにしたのは、韓国新聞史上40年間にわたって圧倒的な支持を得てきた4コマ風刺漫画とその作者・金星煥(キム ソンファン)の研究である。日本語で書き下ろされたこの本は、若者がたどった韓国戦後史であり、新聞の自由と抑圧の歴史となった。漫画とは、風刺とは…を考えるジャーナリズム論でもある。(作者は現在京都在住)
posted by JCJ at 17:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | JCJ賞情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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