2022年11月14日

【出版界の動き】この秋、予断を許さない多様な事態が…=出版部会

●22年9月の出版物販売金額1051億円(前年比4.6%減)、書籍635億円(同3.7%減)、雑誌416億円(同6.0%減)。月刊誌353億円(同5.2%減)、週刊誌62億円(同10.5%減)。返品率は書籍30.9%、雑誌39.4%、月刊誌38.4%、週刊誌44.7%。

●KADOKAWA元会長・角川歴彦被告が取締役を11/5に辞任。「当社の社会的信用に影響を与えた責任は重い」との社長コメントがあるが、五輪汚職の影響は大きく、イベント運営事業などのキャンセルを含め数億円の逸失が出る見通しだ。
しかし全体の業績は好調で、中間期の売上高1226億円(前年比17%増)、純利益105億円(同48%増)。ゲーム事業の売上高171億円(同350%増)。

●日販グループの文教堂および精文館書店の利益が激減。文教堂は営業利益5200万円(前年比85.7%減)。精文館書店の営業利益5200万円(前年比12.6%減)、当期純利益8100万円(同80.2%減)。来年度も回復の見込みは立たず。

●ハロウインで賑わった渋谷の顔「ジュンク堂書店」が、12年がたつ2023年1月末に閉店する。 インターネットの隆盛と比例するように、“紙媒体”の雑誌・書籍の売れ行きが減少し、2020年の出版物販売額1兆2,237億円、最盛期での26年前(1996年)の半分に落ち込んでいる。書店数も2000年の2万1495店が、2020年には1万1024店舗に減少。全国1718市区町村のうち、22.8%にあたる392の市町村に書店がない。

●10/29〜30に3年ぶり開催の「神保町ブックフェスティバル」に10万人が来場。出版社など約130台のワゴンが出展し、バーゲンブックの売行きが好調。神保町三井ビルの公開空地での「こどもの本広場」も盛況だった。2日間の総売り上げは6340万円。

●書店議連が来年5月までに、街の書店を維持・継続するための提言書をとりまとめる。また議連の名称を「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」に変更。この議連には現在、145人の議員が所属している。ICタグを活用した「国の補助によるDXモデル事業の創設」や諸外国に倣った「書店産業への助成」などの検討を求めている。

●書名に「9割」の文字を付けた本が、通称「9割本」が書店を席巻している。昨年には『人は話し方が9割』がベストセラーとなり、今年の1月には累計発行部数100万冊を突破。今やあらゆるジャンルから「9割本」が出版されている。
2000年代前半までは年に1〜3冊程度が、後半には年30冊。2014年には90冊、その後も年間60〜70冊前後で推移している。人の心理や思い込みをついて、「9割だから正しい」とする押し付けが怖い。いまや2冊並べて「18割」ジョークも出る始末だ。

●講談社と共同通信のコラボで、清武英利氏が執筆する初の歴史大河小説『青鞜の男』を、「デーリー東北新聞」に11/1から約1年連載。各地方紙にも順次掲載する。書籍化は2024年以降の予定。
出版部会
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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