2023年01月22日

【今週の風考計】1.22─流星群の襲来と「アルテミス計画」への不安

今年は流星群の当たり年
旧友からの年賀状に「会いたいね!」の1行があった。これに勇を得て、3年ぶりに旧友と会い酒を酌み交わし歓談した。
 その余韻を胸に帰宅の道すがら夜空を仰ぐと、ウサギの跳ねる月が輝き、「冬の大三角」や「オリオン座」が光っている。今年の日本の空は、流星群が襲来する当たり年だそうだ。
さっそく三大流星群の一つ「しぶんぎ(四分儀)座」流星群が、新年早々4日の明け方、襲来したという。気づいたのが遅く悔やまれる。
 4月には「こと座」流星群(4/23)を始め、「みずがめ座」(5/6)、「ペルセウス座」(8/13)、「りゅう座」(10/9)、「オリオン座」(10/22)、「しし座」(11/18)、「ふたご座」(12/14)、「こぐま座」(12/23)の流星群が次々に襲来する。星座図を繰りながら、それぞれの位置を確かめるのに四苦八苦。

つづく太陽系外惑星の発見
先日、41光年先の宇宙空間に、地球とほぼ同じ大きさの惑星があるのを、「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡を使って確認したとの報告が発表された。
 この太陽系外惑星は、南天の「はちぶんぎ(八分儀)座」の方向にあり、「LHS 475 b」と名付けられている。その直径は地球の99%、表面温度は地球より250℃も高いそうだ。さらに地球でいえば太陽に当たる赤色矮星「LHS 475」を、約2日の周期で公転していることが確認された。
また分光観測を行うと惑星の大気にどんな物質が存在するか分かるが、もしCO₂と雲の成分が検出されれば、金星に似た惑星の可能性もあるという。
これまでに多くの太陽系外惑星が見つかっている。昨年6月には、「ふたご座」の方向32.6光年先にある恒星を公転する2つの太陽系外惑星も発見された。この惑星は、1つは地球の1.2倍、もう1つは1.5倍の大きさで、岩石惑星(スーパーアース)とみられる。表面温度は、1つは435℃、もう1つは284℃と推定されている。

「アルテミス計画」に漂う不安
宇宙の探査や研究は年ごとに加速し、国際的な共同プロジェクトが進む。人類を再び月に送る国際宇宙探査「アルテミス計画」も、その一つだ。米国をリーダーにして本格的に動きだした。
「アルテミス計画」に参加・協力する日本も、民間の宇宙ベンチャー企業「ispace」(アイスペース)が、昨年12月11日に月面探査プログラム「HAKUTO-R」<ミッション1>に基づく月着陸船(ランダー)を打ち上げた。民間では初めての月面着陸を目指し、いま宇宙を順調に航行している。
 来年4月末ごろには月面へ着陸するよう準備し、成功すれば民間機としては世界初の月面着陸となる。<ミッション3>段階になれば着陸や輸送の精度を高めて、「アルテミス計画」の火星探査にも協力するという。
しかし、この計画も13日に日米両政府が交わした宇宙分野に関する協力協定を見ると、急速に進むロシアや中国の宇宙開発に対抗し、宇宙空間での覇権を握るための軍事利用に転嫁する懸念は大きい。平和利用に専念できるのか、依然として不安は消えていない。(2023/1/22)
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック