2023年04月01日
【沖縄ジャンプナイト現地調査】 国民見捨て「米の盾」ミサイル要塞化の現場を歩く 諦めない決意、地元と共に メンバーら宮古・石垣に飛ぶ=川田マリ子
JCJ会員有志の独自の勉強会 沖縄ジャンプナイト(OJN)は南西諸島で進むミサイル基地化の現状を見ようと1月25日から29日まで、宮古・石垣両島へ飛んだ。総勢7人、10年振りの寒波の中、降り立った宮古島はダウンを着ても寒かった。
「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さんの案内で、島の数か所に広がる空自・陸自・海保の基地やレーダー施設、軍事衛星施設、戦跡などを見てまわり、夕方大型スーパー前でのスタンディングに参加。会のメンバーたちが道行く人に訴える。我々メンバーもマイクを持った。
翌朝は陸自基地前でのスタンディング=写真=に参加した後、建設中のミサイル弾薬庫、射撃訓練場などの現場を見て回る。夜は連絡会の皆さんが是非我々と話をしたいとのことで、それぞれの立場の活動や意見を聞いた。
一方、反対活動をしている方々は高齢者が多いなかで、子供を抱えて働きながら新しい闘いを模索している母親たちの話も聞いた。
また、宮古毎日記者や沖縄タイムス宮古支局長から地元メディアの「苦悩」を含め、意見交換したほか、宮古島市議から市議会の動静も含めての現状を聞いた。
宮古はハンセン病でも辛い歴史があり、国立療養所「宮古南静園」を訪れ、退所して人権・平和ボランティアをしている方とも交流した。
石垣では、「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の藤井幸子さんの案内で建設中の基地を高台から、そして隣のパイン畑を歩いて工事の状況を垣間見た。正面口ではひっきりなしに大型工事車両が出入りしていた。
「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」山里節子さんは80代半ば。若い時に助手として参加した、米軍による石垣島の地質調査が、現在の状況に深く関わっていたのではという思いから、持病を抱えながらも取材を受けたり、スタンディングなどの活動を行っている。絶対にあきらめない決意がみてとれる。
石垣市の出版社「南山舎」代表の計らいで石垣市議、「石垣市住民投票を求める会」の方、平和ボランティアを育てる活動をしている方など若い方々と交流したことは貴重だった。
最後に『八重山の戦争』著者の大田静男さんのお話を伺い、4泊5日の行程を終えた。
両島とも用地の買収には不透明で理不尽な経緯がある。環境の変化がすでに住民の生活に現れており、今後危惧される問題も多く指摘された。信仰深い島の御嶽(うたき)がないがしろにされていることも見過ごせない。
渡辺白泉が詠んだ「戦争が廊下の奥に立ってゐた」の句のように、この島々では戦争がすぐ目の前にあるように感じた。
だが両島とも島中が恐怖に怯え、怒りに燃えているかと言えばそうではない。「米軍基地」ではなく「自衛隊基地」であるところに問題の難しさがあると思われる。詳細は次号以降にて。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年2月25日号
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