2023年04月19日

【支部リポート】北九州 国が強いるのは「違憲」 医師らの提訴めぐり学習会=久田ゆかり

 軽快な音楽に乗せ著名タレントが所持を急ぐようアピールするマイナカード(マイナンバーカード)。来年にも健康保険証を廃止しマイナカードに健康情報をも集約する国策が今年4月から本格的に開始される。その第一歩である病院窓口等での「オンライン資格確認」に反対の声を上げる動きが医師・歯科医師から急速に高まり2月、「マイナ保険証は憲法違反」として東京地裁に提訴した。この動きは全国に波及し二次訴訟へと拡大する勢いだ。

 東京などの医師ら274人が「病院窓口等でオンラインで資格確認をしたり必要な体制を整えさせるよう国が強いるのは違憲で、公法上の義務は無い」ことの確認を求め国を提訴した。会見した原告団長の佐藤一樹医師は「零細な医院までもが義務化されることで過疎地や離島では深刻な影響が出始めており廃業する医院が目立つ。従来のような自由な医療が受けられなくなる」と強調した。北九州支部は、この問題を深く知りたいとの声があり急きょ、杉山正隆支部長を講師に、週刊金曜日読者会と学習会を共催した。

 杉山支部長は「病院に掛かる際には毎回、マイナカードの提示と顔写真撮影が必要で、持参しなければ自費扱いの10割負担となる。薬の重複を防ぐことが出来る等の利点もあるが、例えば、同じ病気で意見を聞きたくても、別の病院には掛かりにくくなる。日常的なWindows のupdateでマイナカードを読み取る等の機器に不具合が出たとの報告が全国各地から寄せられているが、こうした場合は診療は出来ない」などと4月以降、医療への掛かり方が激変することを解説した。

 また、「マイナカードの常時所持は『実印を常に持ち歩く』ようなもので危険極まりない。紛失すると再発行まで1カ月ほど掛かり、基本的に病院等では10割負担となる。マイナカードの所持を拒否したり紛失時用に資格証を発行するが、資格証を利用すると窓口負担が高くなる等のペナルティがある」と話した。
 参加者からは「国民から確実な徴税をし、病歴や投薬の情報、顔の情報を多数収集することで国民を管理するもの」「諸外国でも導入の動きはあったが、ほとんどの国では中止しており危ういものだ」等、懸念の声が多く上がった。
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年3月25日号

posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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