“わいわいがやがや”〜事務局長の重責を引き受けさせていただくことになった時、心の中に浮かび上がってきたフレーズです。放送局の記者として赴任した初任地で(もう何十年も前です)障害者の問題にボランティアで取り組んでいる人たちと一緒に作った小さな会報の題名です。議論をしながら活動した、あの頃のエネルギーが再び、甦ってきたのかもしれません。
さて、メディア、ジャーナリズムを取り巻く現状に目を向けますと、ロシアのウクライナ侵攻という世界情勢の危機をある意味利用した、政権の安保政策の大転回、原発への回帰などが民意を踏まえることなく進められています。一方で、権力への批判を十分に果たしていないメディアへの不信も高まっています。その中でジャーナリズムと市民を結び「二度と戦争を起こさず市民の暮らしを守っていく」ための活動を、言論を通して担うJCJの役割は、さらに高まっているのではないかと思うのです。
具体的にどうしていくのかについては今年度の活動方針にまとめさせていただきました。2つの大きな柱を立てました▼地方で活動する人たち、メディアの現場の若い人たちと連携を強めていくこと。そして志を同じくする他の団体との結びつきも強めていきます。もう一つは▼JCJの発信力を高めていくことです。3年余のコロナ禍ではコミュニケーションの手段も変わりました。リアルやオンライン、デジタルの活用など多様な情報発信の試みが求められています。
そして大切なのはJCJの会員である私たちが「一人ひとりがジャーナリスト」であることの意味をもう一度かみしめていくことだと思います。私たちが、日記(ジャーナル)に記すような小さな声を発していく、その声が集まって、社会の矛盾と闘っている人たちを励まし、不当な権力行使に歯止めをかけていく力になるのだと思います。そのためには、私たちはそれこそ、“わいわいがやがや”と集まって意見を出しあい、社会を見すえた活動を続けていく。JCJがそうした場になれるよう努めていきたいと思います。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年6月25日号
2023年07月16日
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