2023年07月28日

【おすすめ本】『なぜ、自粛警察は日本だけなのか 同調圧力と「世間」』「息苦しい国」コロナ禍で露呈 肥大した「世間」の同調圧力=インベカヲリ★(写真家)

同調圧力には屈しないと思っていた私も、コロナ禍は「鼻マスク」でマスクをするフリをしていたし、ワクチンは2回まで打って「打ちましたよ」と周囲に伝えていたし、自粛中は何度か街に出たものの基本的には大人しくしていた。そんなつもりはないと思っていたけれど、振り返ると随分それらしい振る舞いをしていたものだ。

 「感染した」という理由だけで差別され、営業しているお店は誹謗中傷され、「人に迷惑をかけないため」にワクチンを打つ。並べてみると滑稽だが、ついこの間まで当たり前に見ていた光景だ。自粛の一環として、「なぜか夜のコンビニの灯はうす暗く落とされた」という一節には笑ってしまった。自粛していることをアピールするために、企業も必死だったのだろう。だが、「している風を装う」という意味では私も同じことをしていた。

 著者は、そんなコロナ禍で露出した日本独特の同調圧力について、「欧米には存在しない「世間」が日本にはあるからだ」と述べる。そして、「小室さんバッシング」「親ガチャ」「ヤケクソ型犯罪」など、近年に起こった様々な事象をもとに「世間」の正体を明らかにしていく。

 私は情報をシャットアウトするためにテレビも見ないし、洗脳をしかけてくる広告や記事は避けているし、人間関係も選んでいる。それでも、気付けば「世間のルール」を意識していた。雅子妃殿下や眞子さんが診断された「複雑性PTSD」は、そのまま日本国民の「息苦しさ」や「閉塞感」を象徴しているのかもしれない。あらためて世間の同調圧力を実感し、暗澹たる気分になった。
(現代書館1800円)

自粛警察は.jpg

posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | おすすめ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック