2023年10月23日

【JCJ神奈川支部】横浜 殉難慰霊碑前で追悼会 少年時代に虐殺目撃した市民が碑建立=保坂義久(神奈川支部)

 関東大震災から100年。JCJ神奈川支部は2日、2013年から横浜市の久保山墓地の「関東大震災殉難朝鮮人慰霊之碑」前で続く「朝鮮人虐殺神奈川追悼会」に参加した。慰霊碑は「横濱市大震火災横死者合葬之墓」(大正15年建立)の近くに建ち、碑の裏には「昭和四十九年九月一日  少年の日に目撃した一市民建立」とある。供えられた花には横浜市長からの献花もあった。

 ここ数年、東京の犠牲者追悼「慰霊法要」には追悼文を送る小池都知事が、朝鮮人犠牲者の追悼式典には追悼文を送らないことが問題化。今年も小池都知事はその姿勢を変えず、この日、横浜でも批判の声があがった。だが今年8月31日、虐殺について松野博一官房長官が、「政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない」と答弁。歴史事実の隠ぺい、改ざんであるこの問題発言には、追悼会のスピーチでも批判が集中した。

 追悼会では犠牲者への黙祷の後、関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会の山本すみ子代表が主催者挨拶。山本氏は警察が「朝鮮人が攻めてくる」など流言を拡散したことを指摘。また、日清・日露の両戦争で朝鮮人と対峙した経験を持つ元兵士である在郷軍人の役割に言及した。さらに、川崎市在住で、自身へのヘイトスピーチと闘っている崔江以子(チェカンイジャ)さんや、ヘイトに対抗し川崎駅前読書会を開いている人たちも相次いで発言。会場では福島瑞穂参議院議員も飛び入りでスピーチし、「政府は虐殺関連文書を確かに保管している」と強調した。

 慰霊碑前の追悼集会には330人が参加、碑前では韓国から来た遺族のスピーチがあり、韓国舞踊が演じられた。神奈川朝鮮中高級学校中級部1年生はアリランの合唱などを披露した。最後は集会実行委員会の運営委員による朗読劇もあった。
    JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 関東・甲信越 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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