統一教会問題を所管する盛山文科相は、「遅くとも1980年頃から被害があった」と述べた。
だが単行本『原理運動の研究』(晩聲社)が出版されたのは1977年である。すでに、この教団の人心をもてあそんで破滅へ導く反社会的本質に加え、自民党中枢と結託して政治的影響力を培養してきた事実は、暴き出されていたのである。
原理運動といっても、ピンとこない人が多いかもしれないが、1960年代後半、全国の大学を席巻した宗教運動である。アダムとエバの原罪を引き継いだ罪人の自覚とそこからの救済を原理≠ニして、全てをなげうっての献身を求めた。
そのため「親泣かせの学業放棄と家出」が続出し、67年には「原理運動対策全国父母の会」が結成されていた。当時すでにソウルでの合同結婚式も行われていた。
修練所での徹底した洗脳により、信者たちはノルマによる花売りや募金活動、人参茶や大理石の壺売りに没頭、教団の蓄財に貢献した。
その莫大な財力を使って教団がつくり出したのがWACL=世界反共連盟だった。その日本版が勝共連合である。
70年5月の「WACL躍進国民大会」には岸信介元首相、佐藤栄作現首相、福田赳夫現蔵相らが「花輪」を贈り、かつ岸は「重大な使命」を説くアピールを寄せた。
以後、こうした催しを重ねて勝共連合と自民党の関係が深まり、各県連の幹部がWACL後援会長の座に就く。そのおスミ付きが統一教会の社会的信用と政治力を強め、信者獲得や集金力を高めていったのである。
著者の茶本繁正さんは生前JCJ代表委員だった。存命なら、今どんな言葉が聞けるだろうか。(ちくま文庫840円)
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