2023年12月10日
【沖縄リポート】いよいよだ!「悪魔の刃」との対決=浦島悦子
10月30日、国が提起した辺野古代執行訴訟の第1回口頭弁論が福岡高裁那覇支部で行われ、国の要請通り即日結審したが、判決期日については「追って指定する」とした。これは異例のことだ。県民の反応を窺っているのだろうか?
今回の代執行訴訟では「公益」とは何かが鋭く問われた。知事の不承認は普天間基地の危険性除去や日米関係という「公益」を著しく害する、と主張する国に対し、自ら出廷して意見陳述した玉城デニー知事は、「県民の民意こそが公益だ」と訴えた=写真=。
県が出した答弁書では、普天間飛行場の危険性除去や安全保障のために「辺野古が唯一」なのかを問うとともに、「民意」=なぜ沖縄県民は反対するのかについて、琉球王国が滅ぼされた沖縄県の成り立ちから説き起こし、「沖縄戦から一貫して県民に課されてきた過重な基地負担と、自己決定を否定され続けてきた歴史的経緯、国が唱える基地負担軽減の空虚さに由来する」「承認しないことが公益にかなうことは明白」と明言している。
年内にも判決➡国による代執行➡大浦湾軟弱地盤の工事着工か?という緊迫した中で11月5日、「国による代執行を許さない! デニー知事とともに地方自治を守る県民大集会」が北谷町で開催された。主催は、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議だが、県民に思いを伝えたいという知事のたっての願いから企画されたという。
県内各地から集まった1800人の沸き起こる「デニー」コールに迎えられた知事は、それに大きく掲げた手と笑顔で応え、この数か月見せていた苦悩の表情から吹っ切れたような清々しさを感じさせた。
「県民の判断が間違っていないことを示した。それを未来世代に残さないといけない」「私が県民の矢面に立つ。どんな矢が飛んで来ようとも受け止めて立つ」と力強く語り、県が求めている「対話による解決」について、「政府とも誰とでも、豊かな未来のために対話する」と述べた。
国が振りかざす代執行という「悪魔の刃」(オール沖縄会議・稲嶺進共同代表)との対決がいよいよ始まる。 浦島悦子
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