本書は1950〜53年に戦われた朝鮮戦争における日本の米軍基地の役割を克明に検証した本だ。これを読みながら、私はしきりに「ガザ」での戦争を想起している。ハマスの奇襲に対するイスラエル側の狂気ともいえる報復で、ガザは今や地獄。イスラエルは救急車や病院や学校までをも標的に爆撃。救急車は戦闘員を運び、病院や学校の地下にはハマスの基地があるから爆撃は当然とイスラエルはうそぶく。
それと同じ状況が本書に出てくる。ガザと同様にまさに「無差別」爆撃が、米軍によって朝鮮半島で繰り返された。実際に空爆に加わった将校の「なぜ敵がいないのに米軍が家を焼くのか、民衆には理解できない」という証言や「共産軍が撤退した後は家や学校がそのまま残っているが、国連軍ははるかに破壊力のある武器でかつての都市をただ黒焦げの焼け跡にしてしまう」などが採録されている。まさにガザの現状。つまりイスラエル軍の戦術はかつて米軍が日本を焼土化した攻撃と同じ。その上、原爆使用を検討していた事実もイスラエルに重なる。アメリカの援助と指導によるイスラエルが、米軍と同じやり方をするのは当然か。
日本から朝鮮半島への空爆と言えば、沖縄の基地が思い浮かぶが、当時は日本中に米軍基地があり、そこから米軍は無差別爆撃を繰り返した。
本書はその詳細な記録だが、著者の執筆姿勢が素晴らしい。一切の推定を排除し「…と思われる」などの記述は一切ない。すべて資料を明示し、調べが及ばなかった事はその旨注記してある。私には「目からウロコ本」だった。(高文研2500円)
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