2023年12月29日

【焦点】晴海選手村マンション建設で中央区に入るべき開発協力金51億円のうち37億減額 不可解な行政の優遇ぶり 問題化=橋詰雅博

 東京都が9割値引きという超格安で開発業者に売却したのは許せないと都民が提訴している問題の用地、晴海五輪選手村跡地に建設中だったマンション群(HARUMI FLAG)が完成した。分譲・賃貸含め5632戸の住宅が生まれるこの新タウンには約1万2000人が住む。大きな小中学校や特別出張所、認定こども園・図書館・保健センター・お年寄りセンターが入る大型複合施設などが建設される。
 来年1月から住民の入居が始まるが、中央区による開発業者への優遇ぶりが改めて問題化している。
 中央区には新しい住戸が完成すると開発業者から開発協力金として1戸当たり100万円を要求する要綱(ただし40u以下のワンルームを除く)がある。この開発協力金は、大規模マンション建設の人口急増に対応するため区の行政サービスの負担が増えることから業者に一部負担を協力してもらうというのが趣旨。実際、HARUMI FLAGでは学校、出張所、施設複合が建設され、職員も大幅に増やさなければならない。

 見込まれる開発協力金は51億円。ところが中央区は板状棟マンション(外観が横に長い建物の一面に住宅が並んでいて、玄関は外廊下と向い合せに設計)3700戸分の37億円を免除した。オリンピック要因だとした免除理由はこうだ。
@ 選手村住宅はパラリンピック対応のため共有部分の廊下を拡張。
A 選手が集い憩える空間確保のため駐車場を地下に集約し、工事費を開発業者が負担。
B オリパラ組織委が選手村として借り上げ使用する期間に生じた金利は開発業者が負担。
C 開発業者が住宅と併せて整備した商業施設は地域に貢献。
 これらを総合的に勘案した中央区は、選手村住宅建設は要綱提要対象外とした。
 しかし、これらの4つの理由のどれを見ても行政サービスを減らす要因は見当たらない。減額する真っ当な理由はないのだ。

 結局、オリンピックとは無関係の建設中タワーマンション分の開発協力金14億円だけが中央区に開発業者から納金される。
 オリンピック要因を理由に東京都と中央区から2重サービスを開発業者が受けた。片や土地の投げ売り、一方で37億円放棄、行政側による不可解極まりないやり方と言える。
 なお一審、控訴審で敗訴した五輪選手村訴訟の原告は、12月11日最高裁に上告した。

posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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