2024年01月13日
【沖縄リポート】代執行・軍事要塞化と年末さんざん=浦島悦子
今年もまた、さんざんな年末だ。辺野古新基地建設という国策に抵抗する沖縄県と県民を、行政権力と司法が一体となって痛めつけてきた、その総仕上げとも言うべき代執行訴訟の判決が、今月20日に言い渡されることになった。設計変更の承認を求める判決に県が従わなければ、国が県に替わって承認し、年末ぎりぎりに軟弱地盤改良工事「着工」を、パフォーマンスであれ既成事実化しようというのだろうか。
キャンプ・シュワブ内では、新基地工事と並行して、隣接する辺野古弾薬庫の大幅再編=改修・増設工事が急ピッチで進められている。その狙いについて11月30日、ゲート前座り込みテントで報告したジャーナリストの山本眞直氏は、辺野古弾薬庫に「復帰」前からある核兵器貯蔵庫と、建設中の新核貯蔵庫(原子炉と同じ遮蔽壁構造を持つことがドローン撮影で判明)の併存を写真で示しながら、「日米同盟の核抑止力」の危うさを指摘した。新基地建設が、日本政府の言う、単なる「普天間代替施設」などでないことは明らかだ。
11月29日には、屋久島近海で米海軍の8人乗りオスプレイが墜落した。7年前の沖縄県内(私の居住地のすぐ近く)での墜落事故が蘇り、「空飛ぶ棺桶」として悪名高いオスプレイが日常的に頭上を飛び交っている恐怖を改めて感じた。日本政府は飛行停止も求めきれず、原因究明もできない。
与那国・宮古・石垣をはじめ琉球諸島の日米両軍による軍事要塞化は今年、格段に進んだ。住民の反対を押し切って今年3月に開設した陸上自衛隊石垣駐屯地は来年度さらに施設規模を拡大し、米軍との共同使用も見込んでいると報道された。
戦争の足音が刻々と近づきつつある危機感から県内60を超える市民団体が立ち上げた「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」は11月23日、那覇市の奥武山陸上競技場で県民平和大集会を開催。玉城デニー知事も登壇し、老若1万人以上の参加で成功した=写真=が、正念場はこれからだ。来年は少しでもいい年にしたい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年12月25日号
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