2024年01月22日

【支部リポート】北九州 大型弾薬庫 抗議の声 民間空港も「強靭化」=杉山正隆

  陸上自衛隊大分分屯地(大分市鴛野、通称=敷戸弾薬庫)周辺の住民らが今年8月11日、集会を開き、「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」を発足させた。分屯地に隣接する団地住民、分屯地近くに立地する大分大学の元教員ら200人が参加して「大分に大型弾薬庫はいらない」と声を上げた。
 住民らは分屯地前で着工に抗議する声を上げ続けているが、国は11月29日、同分屯地などに45億円を投入して敵基地を攻撃する「スタンド・オフ・ミサイル」を保管する大型弾薬庫2棟の着工を開始した。分屯地内の山に約60メートルと約50メートルのトンネルを掘り、地中に弾薬庫を設置する。1棟目は2025年12月、2棟目は26年度中の完成を予定。来年度に湯布院駐屯地(大分県由布市)に配備される新たなミサイル連隊と一体化した運用が見込まれる。

 共同代表の1人、賀来進・県保険医協会副会長は「近隣には多くの住民が暮らしている。外国を直接攻撃できる長距離ミサイルを保管する弾薬庫は『標的』となる。抑止力を強化しても戦争は防げない。平和と生活を守るため、国は努力を惜しむべきで無い」と話す。
 九州最大規模ともされる富野分屯地(北九州市小倉北区)が住宅地にあり、北九州空港の滑走路3000m化や航空自衛隊築城基地(福岡県築上町)での日米合同訓練などが行われており、北九州支部は軍拡の動きを監視することを決めた。

 昨年12月に策定した「国家防衛戦略」で、政府は組織的な戦いを継続する能力を確保するため、5年かけて弾薬庫を増設する方針を打ち出した。青森県むつ市の海上自衛隊大湊地方総監部にも大型弾薬庫を2棟、また全国の自衛隊施設に大型弾薬庫を6棟新設する。鹿児島県瀬戸内町の陸上自衛隊瀬戸内分屯地や、沖縄県宮古島市の陸上自衛隊保良訓練場、海上自衛隊の横須賀地方総監部や舞鶴地方総監部に通常の弾薬庫を整備する計画だ。
     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年12月25日号

posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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