記者をめざす学生向けにジャーナリスト講座を10月から6回シリーズで開いた。その内容を報告する。
時系列で書かない工夫
★作文講座・報道の文章をどう書くか 朝日新聞・教育コーディネータ―の岡田力さんがオンラインで担当。文章論を述べた後、受講生の作文「声」を一つ一つ批評した。冒頭、「作文の秘訣」について作家・井上ひさしさんの言葉を紹介し、「自分にしか書けないこと」を書くのが肝要で、それは自分の経験を字にすることだと指摘した。
学生の作文で多いのは、ことの順番通りに時系列でものを書いてしまうこと。最初は現在から始まり、次の段落で過去にさかのぼるなど変化をつけ、時系列で書かない工夫を心掛けた方がよいと提案した。
また文章を構成する四つの要素@場面・シーンAかぎ括弧でくくる会話B地の文・説明文Cエピソード・経験――を意識し、これらをうまく組み合わせると、文が生き生きすると語った。
作文のテーマである「声」を辞書でひくと、動物の声や虫の声、鐘の声、風の声、世論を示す人々の声と意味は多様だ。与えられた題から連想することが大事で、他の人が使わないだろう「声」を書いた方が目にとまりやすくなると助言した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年12月25日号
2024年01月25日
この記事へのトラックバック