2024年02月12日

【沖縄リポート】新たな訴訟、初日の出の日に「不屈」を誓う=浦島悦子

                         
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  なぜ、これほどまでに国は前のめりになるのだろう…?
 昨年12月20日、辺野古代執行訴訟の高裁判決(沖縄県敗訴)。御用納めの28日、判決に従わない県に代わって国が代執行(設計変更承認)。荒れた年末に続く年明け、国は、予定していた1月12日の大浦湾側着工を、強風・波浪注意報の出る悪天候の中、2日も前倒しして10日正午過ぎ強行。「抗議行動を避ける狙いか」と地元紙は報じた。

 台船に載せた石材(砕石)を海へ投入し「着工」を宣言した「儀式」には既視感があった。2017年4月、建設予定地の波打ち際に数個の土嚢を置いて「辺野古埋め立て着工」を大々的に宣伝した。翌18年12月の土砂投入開始時には、見る見るうちに濁っていく海、埋め殺されるサンゴの映像が繰り返し流された。
 県との協議にさえ応じず強行着工したことに対し、玉城デニー知事は「(国の言う)『丁寧な説明』とは真逆の、極めて乱暴で粗雑な対応」「あきらめを醸し出そうという考え」と怒りを込めて批判、「沖縄の苦難の歴史にさらに苦難を加える」新基地建設の中止と対話による解決を強く求めた。

 これでもか、これでもか、と言わんばかりの鞭を沖縄に打ち据えながら「沖縄の負担軽減」、国の試算でも今後最低12年かかるという工事を「1日も早い普天間基地の返還」と平然と語る岸田首相の言葉の白々しさ…。
「前のめり」が県民をあきらめさせるためなら、それは逆効果だ。2024年元旦、ヘリ基地反対協はコロナ禍で中止していた辺野古の浜の初興し(ハチウクシ)を4年ぶりに開催。250人が、東の海を染めて昇る初日に「不屈」を誓った=写真=。
 私たち地元住民は、不当極まりない高裁判決と代執行に対し、新たな訴訟を起こすことを決意、近く記者会見する。現在、埋め立て承認撤回及び設計変更不承認という県の判断を支持する2つの訴訟も係争中。
 沖縄県は代執行訴訟の敗訴を不服として最高裁に上告したが、新基地建設を巡る新たな訴訟は起こせない。一方、住民は提起できる。最後まで「あきらめない」姿勢を示すことで県と県知事を支えていきたい。
    JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年1月25日号
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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